~先生からのメッセージ~
乳房は女性にとって大切なものですが、日ごろからその状態をチェックしているという方は少ないかもしれません。
乳がんの症状はまず乳房にあらわれるため、定期的に乳房の状態を確認することが重要です。乳房の日々のお手入れに、乳房に異常がないかの確認も加えてはいかがでしょうか。
乳がんの症状は?
乳がんの代表的な症状として、胸のしこりがあります。乳房は、月経周期に合わせて変化するホルモンの影響で時に硬いものを感じることがありますが、乳がんのしこりは、痛みはほとんどなく、こりこりと硬いことが特徴です。
その他の症状としては、皮膚のへこみ、左右差の出現、乳頭からの分泌など多岐にわたります。普段から、ご自身の乳房の状態を知っておくことが大切です。
自分の胸に関心を持ちましょう
乳がんの早期発見のためには、女性自身が日ごろから自分の乳房を気にかけ、異常を見過ごさないようにすることが重要です。
自分の乳房を意識しながら日常生活を送ることをブレスト・アウェアネスといい、欧米をはじめとした世界各国で普及している考え方です1)。
ブレスト・アウェアネスを身につけるためには、①自分の乳房の状態を知るために、日頃から自分の乳房を見て触れて感じる(乳房のセルフチェック)、②気をつけなければいけない乳房の変化(しこりや血の混じった分泌物など)を知る、③乳房の変化を自覚したら、すぐに医療機関へ行く、④40歳になったら定期的に乳がん検診を受診する、の4つが提唱されています2)。
あなたも、将来の自分のために、乳房を意識する生活をはじめてみませんか?
乳がんのセルフチェック(自己検診)のやり方
セルフチェックは、ブレスト・アウェアネスを取り入れた生活には欠かせないものです。
月に1回の頻度で、時間をかけずに簡単に行えますから、入浴中のお手入れの時間や、就寝前のリラックスタイムに行いましょう。
異変に気づいたら受診しましょう
乳がんは、胃がんや大腸がんといったお腹の中のがんと違い、体表臓器にできるがんであるため、セルフチェック(自己検診)で見つけられる可能性の高い、数少ないがんの一つです。
毎月のセルフチェックで異常がないかを確認することは、乳房の健康を維持するうえで非常に有効な方法です。しこりなどの症状が見つかったからといって、必ずがんであるというわけではありません。
自己判断はせずに、気になることがあったら乳腺外科を受診しましょう。
このページの監修をしている先生
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坂井 威彦 先生
がん研究会有明病院
乳腺センター 乳腺外科 副部長
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原 文堅 先生
がん研究会有明病院
乳腺センター 乳腺内科 副部長