胸腺について
胸腺は、左右の肺の間にある縦隔という部分の上部かつ前方に位置する臓器です。胸の中央にある胸骨の裏側に位置します。
胸腺はその大きさが成長とともに変化することが大きな特徴です。
誕生時には10~15gほどですが、思春期には30~40gにまで大きくなり、成人以降は脂肪に置き換わって、脂肪の一部のように見えます1)。
胸腺のはたらき
胸腺は、免疫細胞のひとつである「T細胞」を教育する臓器です。T細胞の「T」は、胸腺(Thymus)のTから付けられました1)。
T細胞は免疫機能のなかでも特に重要な役割を果たす細胞で、がん細胞や感染した細胞を直接攻撃するキラーT細胞、免疫機能の司令塔としてはたらくヘルパーT細胞に分類されます。
T細胞はまず骨のなかでリンパ球として作られ、その後胸腺に移動します1)。胸腺に移動した未熟なT細胞は、そこで自分の細胞と外部の細胞を見分け、外部の細胞のみを攻撃するように教育を受け、成熟したT細胞に成長していきます2, 3)。
国立がん研究センター 希少がんセンター:胸腺腫・胸腺がん. 胸腺について
https://www.ncc.go.jp/jp/rcc/about/thymoma/index.html(別ウィンドウで開きます)(閲覧日:2025年9月16日)Nitta T, et al.: Nat Immunol 2020;21:1172.
Murata S, et al.: Science 2007;316:1349.