胸腺がんはがんの中でもまれなもので、希少がんに分類されます。
同じく胸腺にできる腫瘍である胸腺腫は人口10万人のうち0.44~0.68人がかかるとされており1)、胸腺がんはさらにかかる人が少ないとされています。
胸腺がんの主な特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
| かかりやすい年齢 | 30歳以上(特に40歳から70歳)2) |
|---|---|
| かかりやすい性別 | 男女差はありません2) |
コラム
「希少がん」ってどんながん?
胸腺がんは、がんの中でも「希少がん」に属します。希少がんとはその名のとおり「まれで少ない」がんのことで、患者数が人口10万人あたり6例未満のがん、と定義されています3)。
しかし、がん全体のうちで希少がんが占める割合は約2割と決して低くはなく4)、がん患者さんの5人に1人は何らかの希少がんにかかっていることになります。
患者数の多い乳がんや肺がんなどと異なり、希少がんは患者数が少ないため、「治療に関する情報が限られる」「患者さんを集めて臨床試験を実施することが難しいため使えるお薬が少ない」といった課題を抱えています。
このような状況に対して、厚生労働省では2014年に打ち出された「がん研究10か年戦略」のなかで、希少がん等に関する研究を重点研究領域として定めています。同時に、患者団体、研究機関、企業、国や自治体が連携する希少がんに関する産官学患ネットワークの構築や、新たな治療薬の開発も進められており、希少がんを取り巻く状況は変化しつつあるといえるでしょう。
コラム
医薬品の優先審査
医薬品が国に承認されて患者さんのもとに届くまでには、製薬企業によるさまざまな研究の実施、専門機関への申請、審査を経て、厚生労働大臣による承認を受けることが必要です。承認までの審査にかかる期間は、お薬の種類によって違いはありますが、2022年度では平均11.2ヵ月でした5)。
これに対し、生命に重大な影響がある疾患に対するお薬、進行すると生活に大きな影響のある疾患に対するお薬、有効な治療法や診断法がない疾患に対するお薬、従来の治療法や診断法よりも明らかに患者さんにとって良いと考えられるお薬については、優先審査の対象となり、通常よりも優先的に審査を受けられるように定められています。これにより、お薬をより早く患者さんに使ってもらうことが可能となります。
胸腺がんに適応を有するお薬についても優先審査品目として取り扱われているものがあります。
日本肺癌学会:患者さんと家族のための肺がんガイドブック2024年版. Q84 胸腺腫、胸腺がんとはどのような病気ですか. 2024.
https://www.haigan.gr.jp/public/guidebook/2024/2024/Q84.html(別ウィンドウで開きます)(閲覧日:2025年9月16日)国立がん研究センター 希少がんセンター:胸腺腫・胸腺がん. 疫学について
https://www.ncc.go.jp/jp/rcc/about/thymoma/index.html(別ウィンドウで開きます)(閲覧日:2025年9月16日)厚生労働省:希少がん医療・支援のあり方に関する検討会報告書. 平成27年8月.
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000095429.pdf(PDFファイルで開きます)(閲覧日:2025年9月16日)国立がん研究センター:新たな希少がん分類を策定. 2025年6月10日.
https://www.ncc.go.jp/jp/information/researchtopics/2025/0610/index.html(別ウィンドウで開きます)(閲覧日:2025年9月16日)医薬産業政策研究所:政策研ニュース. ⽇本で承認された新医薬品とその審査期間
https://www.jpma.or.jp/opir/news/068/13.html(別ウィンドウで開きます)(閲覧⽇:2025年9⽉16⽇)