診断から治療までの流れ

監修:愛知医科大学 血液内科 教授 高見 昭良 先生

Q白血病の診断を受けてからどういう流れで治療を行うのでしょうか?

A血液検査骨髄検査などから白血病と診断されるのと並行して、白血病の種類や詳しい分類、染色体・遺伝子異常の有無、種類などが調べられます。ただし、染色体や遺伝子検査の結果が確定するにはある程度の時間を要しますので、結果が得られる前に、結果に左右されない範囲で白血病治療が開始されることもあります。治療前に、リンパ節や肝臓、腎臓のはれ、肺炎などがないか調べるため、レントゲン検査やCT検査が行われることもあります。また、脳や脊髄への白血病浸潤が疑われる場合は、頭部MRI検査脳脊髄液検査が行われます。白血病治療は多かれ少なかれ副作用を伴うため、血液検査や画像検査により、肝臓や腎臓、心臓など内臓のはたらきや、肝炎ウイルスの有無などをあらかじめ調べておくことも大切です。これら検査結果や全身状態、年齢などから治療の選択肢が定まり、患者さんご自身の意向を受けて、治療方針が決まります。通常は、抗がん剤などの薬物療法や放射線療法造血幹細胞移植などが行われます。治療が完了した場合も、体調の安定や、白血病の再発がないかなど確認のため、しばらくの間通院することになります。

  • 診断・検査

    病気のタイプ、病気の広がり、病気の進行度を診断

    • 自分に合った治療法を選択するために、検査の意味や、診断の内容についてよく理解しておくことが大切です。
    • 医師から検査結果や診断について説明を受けるときには、わからないことは、繰り返し質問して、しっかり理解するようにしましょう。
  • 治療方法
    の選択

    検査結果と、全身状態・年齢などを考慮して、治療方針を決定

    • 検査で得られた情報をもとに、あなたのがんや体の状態に合わせて、医師が治療方針を説明します。
    • 治療方法を選ぶときには、一人で悩んだり、不安をがまんしたりせずに、医師や家族、周りの方とも話をして、希望に合った治療法を選びましょう。
  • 治療

    治療方針に基づいて治療を開始

    • 治療が始まると、不安やつらさを感じたり、困ったことが出てくると思います。気になることがあれば、医師や看護師、薬剤師などの医療スタッフに、気軽に話してください。
  • 経過観察

    医師の指示にしたがって定期的に通院

    • 治療が完了した後も、体調の変化やがんの再発がないかなどを診察や検査で確認します。
    • 医師の指示に従って、決まったタイミングで通院するようにしましょう。

医師からのメッセージ

医療スタッフとの対話を大切に

あなたは、白血病の診断や治療、経過観察などを通じ、医師だけでなく、さまざまな医療スタッフとかかわることになります。白血病の診断や治療といった診療面であなたの状態を最も理解しているのは、担当医や看護師などの医療スタッフです。一方、あなたの自覚症状や、困っていること、不安なことなどはあなたご自身にしかわかりません。そのため、よりよい治療を選び、納得しながら療養できるよう、ご自身の状態や考え、気持ちを医療スタッフに伝えることが大切です。信頼関係を築くことにもつながると思います。
最初はなかなか思うようにコミュニケーションを図れないかもしれません。ただし、焦らずに対話を続けていくことで、だんだんと意思の疎通が図れるようになるでしょう。普段の生活において、さまざまな人々と関係を構築していくのと同じように、医療スタッフともコミュニケーションが図れるようになると思います。

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