Q白血病ってどういう病気なの?
A白血病は「血液の悪性腫瘍(しゅよう)」で、がんの1つです。血液の種である造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)は、本来白血球や赤血球、血小板といった血液細胞に変化していきます(「分化と成熟」と呼ばれています)。その途中の細胞ががんになり、無秩序に増えてしまう病気が白血病です。
白血病細胞のなりたち
白血病では、造血幹細胞から白血球や赤血球などの血液細胞に変化する途中の前駆細胞という細胞が、何らかの理由によって生じた染色体や遺伝子の異常によって正常な分化ができなくなっています。すると前駆細胞はがん化して白血病幹細胞へと分化し、さらに増殖して白血病細胞となります。


人間の血管の中には血液が流れており、そこには、組織に酸素を運ぶ赤血球、出血を止める血小板、体内の細菌やウイルスと闘う白血球などが含まれています。白血球はさらに単球、好中球、好塩基球、好酸球、リンパ球に分けられます。リンパ球にはB細胞とT細胞があり、そのほかにNK(ナチュラルキラー)細胞があります。
これらの血液細胞はすべて骨の中の骨髄で作られる造血幹細胞が成長(分化と成熟)して生まれてきます。
白血病は、これらの血液細胞が骨髄で作られる過程で未熟な細胞ががん化(悪性化)し、異常な白血病細胞(がん化した細胞)が無秩序に増殖する血液がんの1つです。
図1造血のしくみ

2016, p248-249, サイオ出版を参考に作成
2017年に新たに診断されたがんは、977,393例※(男性558,869例、女性418,510例)1)で、そのうち、白血病は13,820例(男性 8,038例、女性 5,782例)でした2)。年齢別にみると60歳以上で急激に増加することがわかります(図)2)。
※男性と女性の合計が総数に一致しない場合があります。

- 1) 国立がん研究センター がん情報サービス最新がん統計(別ウィンドウで開きます)
[2020年7月8日閲覧] - 2) 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(全国がん登録)より作成