Q.多発性骨髄腫には、どんな治療法がありますか?
A.
多発性骨髄腫の治療には、主にプロテアソーム阻害薬などの分子標的薬、免疫調節薬、ステロイド薬、抗がん剤といった種類の薬剤を使った薬物療法があります。このうち分子標的薬はさらに小分子化合物やモノクローナル抗体などを用いた抗体薬に分類されますが、抗体を活用した新たな医薬品として二重特異性抗体、抗体薬物複合体が登場しています。造血幹細胞移植や、時には放射線療法を行うこともあります。また、治療選択の一つとして、経過観察を行うこともあります。これらの治療法から、多発性骨髄腫による臓器障害、予後予測因子、年齢などの患者背景などを総合的に検討し、患者さんの年齢や状態などに合わせて、最も適切な治療が選択されます。
放射線は細胞のDNAに傷をつけることから、がんの病巣にあて、がん細胞を攻撃して治療します。放射線治療は、がんを治すことや症状を緩和することを目的に使われます。多発性骨髄腫治療では髄外腫瘤の縮小のためや、骨の病変の痛みを和らげることを目的に使用されることもあります。