多発性骨髄腫治療の副作用

監 修 | 京都府立医科大学 血液内科学 教授 黒田 純也 先生

多発性骨髄腫治療に副作用はありますか?とても不安です…。

多発性骨髄腫治療では、多くの人にみられる副作用や、副作用がみられる時期がわかっています。前もって、どんな副作用がいつごろ出るのかということがわかると対応しやすくなります。いつもと違う症状があらわれたら、我慢したり、治療に関係ないかも…と思わずに、医師や看護師、緩和ケア医などに伝えるようにしましょう。

<薬物療法の主な副作用とその対処法>

アレルギー反応・血管痛

  • 点滴を受けているときに違和感、息苦しさ、血管の痛みなどを感じたときは、すぐに医療スタッフに知らせてください。
  • 初めて使う薬があるときは、特に症状の出現や変化に気をつけましょう。
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発熱

  • あらかじめ、発熱したらどうするかを医師と相談しておくと安心です。感染症を起こしている場合があるので、すぐに通院している医療機関を受診するか、担当医と相談するようにしましょう。
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貧血・だるさ・疲労感

  • 疲れやすかったり、息切れしたりする場合には、無理をせずに休憩しましょう。だるさ、ふらつき、めまいなどの症状がみられた場合は、担当医に相談しましょう。
  • 貧血の程度によっては、輸血で対処することもあります。
  • 出血による貧血であれば、止血のための治療をします。
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感染症

  • シャワーや入浴などで体を清潔にして、食事前やトイレ後などには必ず手を洗う習慣を身につけましょう。
  • マスクをつけて外出し、人ごみをさけましょう。帰宅後は手洗いとうがいを忘れずに。
  • 白血球が減少して感染を起こしやすくなっている時期には、感染予防はますます重要です。白血球を増やすための薬を注射することもあります。
  • 急な発熱や寒気、排尿時の痛みなどの症状があれば、担当医に連絡しましょう。
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出血傾向

  • ケガを避けるために、転倒したり、体をぶつけないように注意しましょう。口の中も傷がつくと出血が止まりにくいので、柔らかい歯ブラシを使うとよいでしょう。
  • 知らないうちに大きなあざができていたり、口の中で多量の出血をしていたりしたら、医療機関を受診してください。
  • 脳出血や消化管出血を起こすリスクがある患者さんでは、血小板の輸血をすることもあります。
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口内炎

  • 口の中を清潔にして、保湿にも気をつけましょう。
  • 香辛料の強いもの、熱いもの、硬いもの、アルコールなどといった刺激の強いものは、できるだけ食べないようにしましょう。
  • 虫歯や歯周病は、多発性骨髄腫の治療の前に治療しておきましょう。
  • 痛みが強い場合には、薬で炎症を抑えたり、麻酔薬を含んだうがい薬や塗り薬を使うことがあります。我慢せずに、医師に相談しましょう。
  • 治療中を通じて、定期的に歯科で口腔内の問題が生じていないかをチェックしてもらうことは大変有益です。
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吐き気・嘔吐

  • 処方された吐き気止めの薬を服用することで予防になります。指示された飲み方を守りましょう。
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便秘

  • 便秘しやすい薬の場合、多くは緩下剤(緩やかに排便を促す薬)などを使って対処します。
  • 水分と食物繊維を多めに摂取して、軽い運動も生活に取り入れましょう。生活習慣を改善して排便のリズムを整えるとよいでしょう。
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末梢神経障害

  • しびれ感やピリピリ感が手足の指先にあらわれたり、手足の痛み、手足が熱い、指先の冷えなどがみられたら、早めに医師に相談しましょう。また、手足の感覚だけでなく、味覚や聴覚などに変化があらわれることもあります。
  • 運動神経や感覚神経が鈍くなると、熱さに気づきにくくなり、危険をさける動きもしにくくなるので、けがややけどに注意しましょう。
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間質性肺炎

  • 発熱や息苦しさといった症状がみられることがあります。
  • 原因となった薬をやめたり、ステロイド薬で炎症を抑えたりする場合もあるので、症状があらわれたら、我慢せずに早めに医師に相談しましょう。
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腫瘍崩壊症候群

  • 腎臓からの尿の産生が減少することがあります。
    水分補給や薬で予防します。
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<放射線療法の主な副作用とその対処法>

放射線治療の副作用には、放射線を照射した部位に起こるものと全身にあらわれるものがあります。また、放射線治療中または終了してすぐにみられる副作用がある一方で、治療後半年から数年後に起こる2次発がんなどの副作用がみられる場合もあります。

照射部位に起こる副作用

皮膚の赤み、かゆみ

  • 皮膚を清潔に保ち、刺激をさけましょう。
  • 低刺激性のボディーソープなどを使う、紫外線をさける、ゆったりした衣服を選ぶ、などの工夫が役立ちます。
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<造血幹細胞移植の主な合併症とその対処>

造血幹細胞移植では、大量の抗がん剤投与による前処置で骨髄腫細胞をできるだけ減少させます。およそ1年間は、免疫力が低下した状態が続きますので、合併症をさけるためには、前処置時の副作用や感染症対策が重要です。

  • シャワーや入浴などで体を清潔にして、食事前やトイレ後などには必ず手を洗う習慣を身につけましょう
  • マスクをつけて外出し、人ごみをさけましょう。帰宅後は手洗いとうがいを忘れずに
  • 急な発熱や寒気、排尿時の痛み、発疹や水疱などの症状があれば、担当医に連絡しましょう

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