乳がんのセルフチェック(自己検診)のやり方
~先生からのメッセージ~
万が一乳がんがあった場合でも、普段から乳房の状態を確認しておけば、がんが進行する前に治療を開始することができる可能性があります。月に1回程度、自分で乳房の状態を確認するセルフチェックを、ぜひ習慣づけてください。
セルフチェックの基本的な手順と、上手にチェックするためのポイントをご紹介します。
セルフチェックの流れ
①②は入浴時、③④は就寝前に行うとよいでしょう。
- ①上半身裸の状態で鏡の前に立ち、腕を上げ下げして乳房の状態を確認します。
- <ココをチェックしよう!>
-
- 形や大きさに左右差はない?
- 皮膚がへこんだり、引きつれているところはない?
- 乳首がへこんだり、分泌液が出たりはしていない?
- ②指にボディソープなどをつけて滑りをよくし、4本の指をそろえてくるくるとうずまき状に動かしながら、乳房表面にしこりや皮膚の異常がないかを確認します。
- ③仰向けになって調べる側の腕を頭の下に置き、反対側の指で乳房にくまなく触れます。乳房はつままず、4本の指をそろえて滑らせるように触れましょう。左右同様に行います。
- <ココをチェックしよう!>
-
- 乳房にしこりはない?
- わきの下にしこりはない?
- ④乳頭を指でつまんで絞るようにして、分泌物がないか確認します。左右同様に行います。
セルフチェックのポイント
- 月に1回、生理が終わって4~7日後に行いましょう。閉経している方は、日を決めて行いましょう。
- しこりを確認するときは、つままないで指を滑らせるようにします(皮膚をつまむと、しこりがあるように誤解しがちなため)。
- しこりを確認するときは、肋骨を感じるくらいの力で触れます。
- セルフチェックでは、普段と違う異常を見つけることが重要です。月に1回乳房に触れることで、普段の乳房の触り心地を覚えておきましょう。
月に1回、決まった時期に乳房に触れることで、何か異常があった場合に見つけやすくなります。
女性の乳房は生理周期によって状態が異なりますので、生理がある方の場合は、生理を基準にして月の中の決まった時期に行うようにしましょう。
セルフチェックで異常が見つかったらどうしよう、と不安になる方もいらっしゃるでしょう。しかし早く治療を開始することが重要である乳がんに対しては、怖いから、と目を背けることはあまりおすすめできません。
正常な状態の乳房を知り、異常が起きた際に気付きやすくするために、ぜひ毎月の習慣にしていただきたいと思います。
また、ゆっくりとご自分の体に向き合って触れる時間は、忙しい日々の中でも貴重な機会となるのではないでしょうか。