乳がんを知りたい乳がんを知りたい

乳がんの基礎知識
(特徴や種類、生存率)
乳がんの基礎知識
(特徴や種類、生存率)

~先生からのメッセージ~

このサイトをご覧になっているあなたには、ご自身かご家族、あるいは大切なパートナーの「乳がん」の心配があり、アクセスしてくださったのだと思います。
突然あなたの生活に飛び込んできた「乳がん」という存在に、不安でいっぱいのことでしょう。
ですが、まずは一歩だけ進んで、乳がんを正しく理解することから始めてみませんか。

乳房の役割と乳がん

女性の乳房の役割は母乳を作ることです。乳房は母乳を作りだす乳腺組織と、それを支える線維、脂肪組織などからなる間質で構成され、内部には血管やリンパ管、神経が張りめぐらされています。
乳がんは、この乳腺に発生するがんで、女性がかかるがんの中で最も多いものです1)
日本人では40歳代から50代女性の発症が多く1)、家庭・社会のどちらにおいても中心となっている年代に多いがんであることが特徴です。
乳房の中でもがんになりやすい部位があり、全体の半数近くが、乳首を中心として外側の上部分にできるという調査結果があります2)

1)国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録),全国がん罹患データ

2)医療情報科学研究所編:病気がみえる vol. 9 婦人科・乳腺外科 第4版, 2018, メディックメディア, p284

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浸潤がんと非浸潤がん

乳がんは、がん細胞の広がり方によって大きく2つに分類されます。
非浸潤がんは、母乳を作成して乳頭まで届ける小葉と乳管内にがんが留まっているものです。
一方の浸潤がんは、乳管の外側に存在する基底膜をこえて、がん細胞が乳管の外の間質に広がっているものです。間質には血管やリンパ管が存在するため、浸潤がんでは乳房を超えて他の臓器にがん細胞が移動する可能性が出てきます。
非浸潤がんの段階で適切な治療を受ければ治ることが見込まれ、浸潤がんも浸潤が小さいうちに治療を受ければ、ほとんどの場合で治ることが期待されます1)

1)全国がんセンター協議会:部位別10年生存率(2005~2008年全症例)

https://www.zengankyo.ncc.go.jp/etc/seizonritsu/seizonritsu2013.html(2022年9月閲覧)

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乳がんの進行

乳がんは、乳腺の一部分である乳管・小葉に発生し、そこから乳腺内、わきの下のリンパ節、より離れたリンパ節、そして乳房から離れた骨・肺・肝臓・脳などの臓器に転移していきます。
がんがどの段階にあるかで、治療の内容や予後(病気の経過)が異なります。

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乳がんのデータ

乳がんの患者さんの数は、1985年からずっと右肩上がりに増えています。発症・死亡ともに40歳代が多く、まさに働きざかり・輝きざかりの女性に起こる病気だといえるでしょう1)
しかし、がんの部位別死亡者数でみると、乳がんは4位です1)。つまり、乳がんは治療しだいで、ある程度のコントロールが可能ながんであると言えます。

1)国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(人口動態統計)

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このページの監修をしている先生

坂井 威彦 先生

がん研究会有明病院
乳腺センター 乳腺外科 副部長

原 文堅 先生

がん研究会有明病院
乳腺センター 乳腺内科 副部長