乳がんの治療を受けている乳がんの治療を受けている

乳がん手術後の生活乳がん手術後の生活

乳がん手術後に気をつけること

~先生からのメッセージ~

数日の入院期間ですが、大きな手術を経験され、心身ともに疲れていることと思います。
無理をせず、徐々に元の生活に戻していくようにしましょう。

手術直後の過ごし方

医師に指示された時間まではベッドの上で安静に過ごします。また、手術の当日は全身麻酔の影響による誤嚥のリスクがあるため1)、飲食はできません。
その後は手術の大きさ、手術創の状態に応じて離床(ベッドから離れて徐々に日常の活動を始めること)、飲水、シャワー浴などの許可が出て、しだいに普段の生活に近い動作ができるようになっていきます。
また手術の後は、ドレーンという管を体に入れて、手術した部分から出る血液やリンパ液を体の外に排出します。排出される液が約50mL以下になれば管は抜けますが、それまでは歩くときやシャワー中を含め、常に管が入った状態で過ごします2)

退院直後の過ごし方

退院直後から、日常生活の大抵のことが行える状態です3)。激しい動作を避けながら、無理のない範囲で家事などを行うことができます。
サポートを頼みたいなど生活上の困りごとがある場合は、がん相談支援センターに相談してみましょう。
退院してからできること・できないことについては、下記の表も参考にしてください。

車・自転車の運転4)
  • はじめは長期間の運転・乗車は避けましょう。
  • 自転車は、手でブレーキを握ることができるかを事前に確認しましょう。
市販薬、常備薬の服用

担当の先生に確認しましょう

  • 風邪薬や痛み止め、サプリなどの使用については、担当の先生や看護師に確認しましょう。
ワクチン接種
(インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症)

担当の先生に相談しましょう

  • 術後の治療の中には免疫力が低下するものがあり、免疫機能が低下する可能性があるため、担当の医師と相談しながら、接種時期を決定しましょう5)
  • 新型コロナウイルス感染症に対するワクチンでは、接種した腕の腋窩リンパ節の腫れが報告されています。そのため手術した側と反対側の腕に打つ、可能であれば太ももに打つなどの対処ができるとよいでしょう6)
  • ※全国のがん診療連携拠点病院などに設置されているがんに関する相談窓口です。他の病院にかかっている場合でも、患者さんやご家族も含め無料での利用が可能です。がんの診断から治療、治療後の生活や社会復帰など、がん治療に関わるあらゆる疑問や不安をご相談いただけます。相談は面談のほか、電話やメールでも可能です。また、匿名での相談も受け付けています。

  • 3)参考:日本乳癌学会編:患者さんのための乳がん診療ガイドラン2019年版, 金原出版, 2019, p110

  • 4)がん研有明病院 乳腺センター:乳がんの治療をこれから受ける方のために 2020年6月改訂

  • 5)がん情報サービス:インフルエンザQ&A
    https://ganjoho.jp/public/support/infection/infulenza.html#qa39(別ウィンドウで開きます)(2022年4月閲覧)

  • 6)日本癌治療学会、日本癌学会、日本臨床腫瘍学会:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療についてQ&A
    -患者さんと医療従事者向け ワクチン編 第2版-, 2022年2月16日

日常生活

退院した時点で身の回りのことはほとんどできるようになっていますので、無理をしなければ禁止事項はありません。ただし運動については、開始時期を医師に相談しましょう。
退院時の傷の状況は、透明なテープで術直後から保護されている場合、透明なテープをはがして別のテープが張られている場合、ガーゼが当ててある場合など、手術内容によって異なります。退院後の傷は基本的には濡らさないようにしてください。ただし病状によって処置の方法も変りますので、退院時に担当医に確認してください。さらに異常がみられたら、医療スタッフに相談しましょう。

家事やシャワーは問題ありません。お風呂につかることは避けましょう。軽い運動は術後1~2か月後を目安に、開始時期を医師に相談しましょう。また、切除部の腫れ、創からの浸出液などの問題は医療スタッフに相談しましょう。

仕事

職場復帰が可能になる時期は、手術の大きさや職種によって異なります。
体調に不安がなく、手術後の治療に支障がなければ、職場の担当者と相談の上、仕事に復帰することが可能です。

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