監修

近畿大学医学部 産科婦人科学教室 教授

松村 謙臣 先生

子宮・卵巣にまつわる症状

下腹部の痛み

腹痛は、さまざまな病気で起きる可能性のある症状です。中でも下腹部の痛みは、女性にとって大切な臓器である子宮や卵巣が関連している可能性が高く、重大な病気のあらわれである場合もあります。
軽い生理痛のように、何となく見過ごしてしまう痛みもあるかもしれません。ですが気になることがあったり、痛みが長く続くようであれば、婦人科を受診してみてはいかがでしょうか。

下腹部の痛みの症状

下腹部全体が痛い、左右どちらかが痛い、押すと痛い、生理時に痛む、生理に関係なく痛む、慢性的に痛む、突然痛み出すなど、原因となる病気によって多岐にわたります。

下腹部の痛みの疫学

婦人科の病気でよくみられる痛みと、原因と考えられる病気について紹介します。

がんなどの腫瘍による痛み

腫瘍が周囲の臓器などを圧迫することで痛みを感じます。ただしこの痛みは、腫瘍が徐々に大きくなる場合などは、かなり進行するまで感じられないことがあるようです1)
卵巣腫瘍の場合は、子宮と卵巣をつなぐ茎部がねじれてしまうことがあり、その場合は強い痛みを感じます。

炎症による痛み

卵管炎や骨盤内腹膜炎などの炎症に伴う痛みです。

生理に関連する痛み

いわゆる生理痛ですが、背景に月経困難症や子宮内膜症などの病気がある可能性があります。
特に子宮内膜症では、生理のたびごとに痛みが強くなるという特徴があります。

  • 1)岩崎昭宏: 超音波検査技術. 2016;41(5):546-7.

下腹部の痛みの検査

急性の痛みの場合は、まず妊娠しているかどうかを確認します。妊娠している場合は流産や異所性妊娠による痛みであると考えられます。
妊娠が否定された場合は、エコー検査で出血や腫瘍がないかを確認します2)
慢性の痛みの場合は、問診や内診、エコー検査で原因を確認します。炎症が疑われる場合は、さらに血液検査やおりものの細菌培養検査などを行います。

  • 2)加藤一朗: レジデントノート. 2013;14(16):2973-7.

下腹部の痛みの治療

痛みの原因に応じた治療を行います。
生理がある女性は下腹部が痛むことに慣れている場合もあるかもしれませんが、がんなど命に関わる病気、子宮内膜症など将来不妊になる可能性のある病気が原因である可能性があります。
適切な治療を受けられるように、症状がある場合は速やかに婦人科を受診しましょう。

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