どんな検査をするの?

どんな検査をするの?

監修 近畿大学医学部 産科婦人科学 教授 
松村 謙臣 先生

卵巣がんの早期発見に特化した検査はありません

卵巣がんでは、早期発見を目的とした検査はあまり行われません。

もっと詳しく 内診や超音波(エコー)検査には限界があります

定期的に婦人科のクリニックを受診し、内診とエコー検査で卵巣を観察してもらっていたとしても、卵巣がんの早期発見や予後改善につながるというデータはありません。むしろ、卵巣がんの検診をすることで、結果的にはしなくてもよかったはずの通院、検査、手術を増やしてしまう可能性があります。
自治体で行われている子宮がん検診は、子宮頸がんを対象にしているものであり、通常はエコー検査までは行われません。

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専門医からのメッセージ

日本には、子宮頸がん検診を定期的に受けて、何か心配なことがあればすぐにかかりつけの婦人科を受診される方と、婦人科には縁遠くなっている方がおられます。婦人科から遠ざかっている方には、子宮頸がんが進行した状態でみつかったり、月経痛を我慢して日常生活に不便があったり、将来妊娠しにくくなるような病気になっていたり、閉経後に骨粗しょう症になったり、というように、検査や治療を受けていたらなかったはずの不利益が生じる場合があります。したがって、かかりつけの婦人科をもつことは、とても大切なことです。
しかし、頻繁に婦人科を受診している方であっても、卵巣がんの早期発見はとても困難です。卵巣には、がん以外にも多種多様な腫瘍が発生し、その中には卵巣嚢腫など良性のものもあります。一部の卵巣嚢腫はがんに進行する可能性があるとされていますが1)、それを予測する方法は確立されていません。一方、すべての卵巣嚢腫を手術するのは、かえって不利益をもたらすと考えられています2) 。そして婦人科の外来で卵巣嚢腫の経過を診ていくことが患者さんに利益をもたらすかどうかも、よく分かっていません。
卵巣がんの可能性を疑って婦人科を受診する際は、検査の意義と限界についてわかった上で、どのような検査を受けるべきかについても医師としっかり相談し、納得した上でベストの医療を受けていただきたいと思います。

  • 1)日本婦人科腫瘍学会編:患者さんとご家族のための子宮頸がん子宮体がん卵巣がん治療ガイドライン 第2版, 金原出版, 2016, p151

  • 2) US Preventive Services Task Force; Grossman DC, et al.:JAMA;319(6):588-594, 2018

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