監修 愛知県がんセンター 病院長
山本 一仁 先生
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リンパ腫ではどんな検査をして診断されるのですか?それぞれの検査で何がわかるのですか?
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リンパ腫には非常にたくさんの種類があり、それぞれ治療方法が異なります。そのため、複数の検査を行い、病気のタイプ(病型)、病気の広がりの程度(病期)、病気の進行度(病勢)を診断し、治療効果や予後を予測します。そして患者さんの年齢と全身状態を考慮して治療方針を決定します。
血液検査、超音波検査、CT検査・MRI検査などで、リンパ節のはれや血液の状態を確認して、リンパ腫の可能性が考えられた場合には、リンパ節生検という病理検査でリンパ節やしこりの一部を手術で採取し、その組織を顕微鏡で詳しくみて、確定診断を行います。このとき、染色体や遺伝子の検査も行い、リンパ腫のタイプも診断します。
リンパ腫と診断された場合、骨髄検査やPET検査、脳脊髄液検査、消化管内視鏡検査などでがんの広がりを調べます。このほかに、病気の進行度や全身状態を確認するために血液検査、尿検査、心機能検査(心電図や心エコー)、呼吸機能検査(血液ガス分析)などを行います。

永井正. 図解でわかる 白血病・(悪性)リンパ腫・多発性骨髄腫, 2016, p160法研