治療法によってあらわれる副作用は異なります。
手術療法による副作用
胸部の手術後に起こることの多い後遺症として、開胸術後疼痛症候群が挙げられます。開胸手術、そして胸腔鏡による手術の場合に起こる可能性があります。
手術で神経が損傷されることによって起こる慢性的な神経痛で、数ヵ月から数年にわたって続くことがあります。
治療には神経痛のお薬が使われますが、根本的な治療法はないため、なるべく傷が小さく済むような方法で手術をするなど、痛みの発生を予防することが重要とされています。
放射線療法による副作用
胸部に放射線を照射することで、食道の炎症、貧血、白血球減少、肺炎などが起こることがあります。放射線の副作用は照射した部位にのみあらわれるので、髪の毛が抜けたりすることはありません1)。
放射線療法の副作用で起こる肺炎は、重症化するとまれに死亡の原因となることがあります1)。放射線療法を受けて咳や発熱、息苦しさを感じる場合は、医師に相談しましょう。
薬物療法による副作用
使われるお薬の種類によってあらわれる副作用が異なります。
抗がん剤
抗がん剤は細胞分裂が活発な細胞に影響しやすく、血液を作る骨髄細胞、胃や腸の粘膜、毛根などが影響を受け、副作用が起こります。これらは、「感染症にかかりやすい」「立ちくらみ」「出血しやすい」「吐き気や嘔吐」「口内炎」「下痢・便秘」「食欲不振」「脱毛」などの症状としてあらわれます。
抗がん剤による副作用の対策はおしえて肺がんのコト「抗がん剤(細胞傷害性抗がん剤)」副作用対策をご覧ください。
免疫チェックポイント阻害剤
免疫チェックポイント阻害剤による副作用は、免疫機能が強く働きすぎることによって起こり、全身のあらゆる部位に起こる可能性があります。
免疫チェックポイント阻害剤による副作用は、治療期間中だけでなく治療が終わったあとにもあらわれることがあるので、気になる症状がある場合は早めに医師、看護師、薬剤師に相談しましょう。
免疫チェックポイント阻害剤治療による副作⽤には以下が報告されています2)。
- ・間質性肺炎(初期症状として息切れ、痰の出ない空咳、発熱など)
- ・⼤腸炎(下痢や黒い便を含む⾎便、腹痛)
- ・1型糖尿病(⼝が渇く、⽔分を多くとる、尿量が増える)
- ・甲状腺機能障害などのホルモン分泌障害、肝・腎機能障害
- ・⽪膚障害
- ・重症筋無⼒症(まぶたが下がったまま戻らない、⼿⾜に⼒が⼊らない、⾷べ物がうまく飲み込めない、呼吸が苦しいなど)
- ・筋炎‧⼼筋炎(疲れやすい、だるい、筋⾁が痛む、発熱、咳、胸の痛みなど)
- ・ぶどう膜炎
など
日本肺癌学会:患者さんと家族のための肺がんガイドブック2024年版. Q39 放射線療法に伴う合併症について教えてください. 2024.
https://www.haigan.gr.jp/public/guidebook/2024/2024/Q39.html(別ウィンドウで開きます)(閲覧日:2025年9月16日)日本肺癌学会:患者さんと家族のための肺がんガイドブック2024年版. Q46 免疫チェックポイント阻害薬の副作用や注意したほうがよいことにはどのようなものがあるでしょうか. 2024.
https://www.haigan.gr.jp/public/guidebook/2024/2024/Q46.html(別ウィンドウで開きます)(閲覧日:2025年9月16日)