乳がんを知りたい乳がんを知りたい

乳がんの基礎知識
(特徴や種類、生存率)
乳がんの基礎知識
(特徴や種類、生存率)

乳がんの進行

~先生からのメッセージ~

乳管・小葉に発生した乳がんは、時間とともに少しずつ広がり、いずれは骨や肺などに及ぶことがあります。
乳がんの進行段階に応じて、治癒を目指したり患者さんの苦痛を和らげたりするための方法があります。
乳がんと闘う前の基礎知識として、乳がんがどのように進行していくのかを見てみましょう。

乳管内進展

乳がんが進行していく様式の一つで、がん細胞が乳管に沿って広がっていくものです。
乳管の内部に石灰化を伴って広がるタイプの乳癌では、マンモグラフィで広い範囲に石灰化がみられることがあります。

乳管内進展

間質浸潤

がんが乳管の外側を包む基底膜を破って、乳管外の間質に顔を出した状態のことを指し、浸潤をしている乳がんのことを浸潤がんといいます。乳管をこえたがん細胞はリンパ管や血管に侵入してリンパ液・血液の流れに乗り、乳房周囲のリンパ節、さらには全身へ流れていくことがあります。

間質浸潤

リンパ節転移

がん細胞が浸潤を起こすと、間質にあるリンパ管に癌細胞が入り込むことがあります。流れついた先のリンパ節でがん細胞が増殖することをリンパ節転移といいます。乳房内のリンパ管は通常腋窩(脇の下)のリンパ節に流れ着くことが多いため、腋窩リンパ節転移を起こしやすいことが知られています。リンパ節に見られるがん細胞の大きさによって微小転移(0.2mmから2mm)、マクロ転移(2mm以上)に分けられます。

坂井先生・原先生からもっと詳しく 坂井先生・原先生からもっと詳しく

がん細胞が全身へ流れていくなんて、とても恐ろしく聞こえるかもしれません。ですが流れていったがん細胞が全部転移を起こすわけではありません。大半のがん細胞は血液中を流れていっても体の中の免疫機能等の働きでやっつけられてしまい、転移を起こすことの方がまれです。流れているがんの量が多かったり、少量でも性質の悪いがんであったりすると、流れていった先でがん細胞が生き残り増殖をして、ある程度の大きさになると画像で見えるようになり転移・再発として発見されるようになります。
ステージや乳がんの性質(サブタイプ)といった情報から、全身流れたがん細胞が増殖する可能性が高いときには、ホルモン治療や抗がん剤治療などの薬物療法を行う必要があります。

清水先生から、あなたへのメッセージ

「がんの進行」というと何だか難しそうですが、何となくイメージはつかんでいただけましたか?
乳がんの可能性に対して、とても不安を感じておられるとは思います。不確実なことが多いほど不安は強くなりますので、乳がんという病気のことを知っていただくことで、少しずつ不確実な部分が解消され、不安も小さくなっていくことと思います。

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