放射線治療の流れ
~先生からのメッセージ~
ここでは、主に術後の放射線治療の進め方をご紹介します。
基本的にほぼ毎日の通院が必要なため、少しおっくうに思うこともあるかもしれません。しかし、将来の再発を防ぐためのものですから、生活を工夫しながら、ぜひスケジュールどおりに受けるようにしましょう。
基本的な治療スケジュール
月~金の毎日通院し、1~3分程度の照射を1日1回受けます。照射回数は手術の内容や個人の状態により異なりますが、合計1~数十回ほどです1)。
- 皮膚につけたインクの色が下着に移ることがあります。
- 放射線治療のときは、手術直後に着用する前開きで乳房を大きくカバーする下着が便利です。詳しくは乳がん手術後の下着をご覧ください。
乳房温存手術後の治療内容
温存した乳房全体に、1回線量2.0グレイ※、合計46~50グレイを、約5週間かけて照射します2)。
しこりのあった箇所からは再発が起きやすいので、その部分に追加で照射を行うこともあります。
腋窩リンパ節転移があった場合は、鎖骨上部への転移を防ぐために、その部分に照射を行うこともあります。
乳房全切除術後の治療内容
腋窩に4個以上の転移があった患者さんや、リンパ管侵襲の程度が大きい患者さんが対象になります。手術をした側の胸壁全体と鎖骨上部に、1回線量2.0グレイ、合計46~50グレイを、約5週間かけて照射します3)。しこりが手術で取りきれていないおそれがある場合には、その部分に追加で照射を行うこともあります。