乳がんと診断された乳がんと診断された

乳がんの放射線治療と治療後の副作用乳がんの放射線治療と治療後の副作用

放射線治療の流れ

~先生からのメッセージ~

ここでは、主に術後の放射線治療の進め方をご紹介します。
基本的にほぼ毎日の通院が必要なため、少しおっくうに思うこともあるかもしれません。しかし、将来の再発を防ぐためのものですから、生活を工夫しながら、ぜひスケジュールどおりに受けるようにしましょう。

基本的な治療スケジュール

月~金の毎日通院し、1~3分程度の照射を1日1回受けます。照射回数は手術の内容や個人の状態により異なりますが、合計1~数十回ほどです1)

放射線治療の基本的なスケジュール。放射線治療では、放射線専門医による診察、照射位置の決定(皮膚にインクで印をつけます)、放射線照射(1~3分)を行う。
  • 皮膚につけたインクの色が下着に移ることがあります。
  • 放射線治療のときは、手術直後に着用する前開きで乳房を大きくカバーする下着が便利です。詳しくは乳がん手術後の下着をご覧ください。
  • 1)参考:日本乳癌学会編:患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版, 金原出版, 2023, p125-127

乳房温存手術後の治療内容

温存した乳房全体に、1回線量2.0グレイ、合計46~50グレイを、約5週間かけて照射します2)
しこりのあった箇所からは再発が起きやすいので、その部分に追加で照射を行うこともあります。
腋窩リンパ節転移があった場合は、鎖骨上部への転移を防ぐために、その部分に照射を行うこともあります。

  • ※放射線の単位で、照射された対象がどれくらい放射線のエネルギーを吸収したかを表します。

  • 2)参考:日本乳癌学会編:患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版, 金原出版, 2023, p130

乳房全切除術後の治療内容

腋窩に4個以上の転移があった患者さんや、リンパ管侵襲の程度が大きい患者さんが対象になります。手術をした側の胸壁全体と鎖骨上部に、1回線量2.0グレイ、合計46~50グレイを、約5週間かけて照射します3)。しこりが手術で取りきれていないおそれがある場合には、その部分に追加で照射を行うこともあります。

  • 3)参考:日本乳癌学会編:患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版, 金原出版, 2023, p133-134

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