乳がんと診断された乳がんと診断された

乳がんの放射線治療と治療後の副作用乳がんの放射線治療と治療後の副作用

~先生からのメッセージ~

放射線治療は、がん細胞の遺伝子にダメージを与えて増殖ができないようにすることで、がん細胞を死滅させます。
少し怖そうな治療法に聞こえるかもしれませんが、手術後の再発予防、がんによる症状の緩和に効果のある治療法です。放射線というと、髪が抜けてしまうような誤解をしている人が多くいますが、乳房とその周辺にのみ放射線を照射するため、毛髪が抜け落ちることはありません。副作用があらわれる部位も限られています。

なぜ放射線治療をするの?

放射線治療は、手術で取り切れなかった顕微鏡レベルの小さながん細胞を根絶するために行います。手術後に行う場合は再発予防のための追加治療として、手術が行われない進行がんに対しては、乳房の病変部に対する局所療法として行われます。

放射線治療の流れ

放射線治療は、基本的に外来で、放射線治療の専門医が行います。
手術後の病理結果や治療内容から放射線の照射量と照射範囲を決定し、実際の照射に移ります。
患者さんによって詳細は異なりますが、照射時間は1回につき1~3分程度、週に5日間(月~金曜の毎日1回ずつ)という頻度で、合計1~数10回ほど治療を行います1)

1)参考:日本乳癌学会編: 患者さんのための乳がん診療ガイドライン2019年版, 金原出版, 2019, p124-125

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放射線治療の副作用

放射線治療後すぐにあらわれる副作用としては、照射部位の皮膚の赤み、かゆみ、ひりひり感があります。皮がむけたり水ぶくれのようになったりすることもありますが、治療終了後2週間ほどで症状は軽くなることが多いです。
また放射線治療には晩期副作用といって、治療終了から数カ月~数年経ってからあらわれる副作用がありますが、乳がんでは重大なものの頻度は少なく2)、あまり心配する必要はありません。

2)参考:日本乳癌学会編: 患者さんのための乳がん診療ガイドライン2019年版, 金原出版, 2019, p135

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このページの監修をしている先生

坂井 威彦 先生

がん研究会有明病院
乳腺センター 乳腺外科 副部長

原 文堅 先生

がん研究会有明病院
乳腺センター 乳腺内科 副部長