このまま同じ治療を続けるかどうか迷ったら
~先生からのメッセージ~
遠隔転移がんの治療では患者さんの生活の質を重視しますが、場合によっては治療の副作用が強くあらわれてしまうこともあります。このようなときに、治療の変更について、患者さんやご家族みなさんが納得がいくように十分に話し合い、最適な選択をするのは、なかなか難しいことです。
ここでは、患者さんが望む医療を行うための取り組みを考えてみましょう。
そのときに向けて、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)を活用してみましょう
体調が著しく悪化したり、意識が乱れた状態で重要な選択をすることは、難しいことです。しかし遠隔転移で治療を続けている患者さんにとっては、このような状態は十分にありうることです。
そのときに患者さんが望む医療を受けるために、最近では、患者さん・ご家族・医療関係者が終末期※に向けた治療についてあらかじめ話し合う、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)という手法が広まりつつあります。
ACPってどうやるの?
ACPは、「万が一のときに備えて、あなたの大切にしていることや望み、どのような医療やケアを望んでいるかについて、自分自身で考えたり、あなたの信頼する人たちと話し合ったりすること」と定義されています1)。
定められた手法というものはありませんが、ご自分の好きなことや大切にしていること、やってみたいことをじっくり考え、信頼できる家族やパートナー、そして医療スタッフとそれを共有することが、まずは大切なのではないでしょうか。急ぐ必要はありませんが、あなたが自分の時間をリラックスして過ごせるときに行うのがよいでしょう。
自分にとって良いもの・大切なものに思いを馳せる時間は、とても満たされた貴重なものになるはずです。