再発・転移乳がんの治療を受けている再発・転移乳がんの治療を受けている

再発・転移乳がんの治療再発・転移乳がんの治療

~先生からのメッセージ~

再発や転移の可能性について医師に告げられた時、どんなに衝撃を受けられたことでしょう。
乳がんから解放されたと思われていたかもしれません。その後の再発ですから、落胆や絶望感が以前よりもずっと大きいこともあるかと思います。
これから、ご自身のがんが再発・転移したという現実と向き合っていかれることになります。医師をはじめとする医療スタッフは、そのすべての段階において患者さんをしっかりとサポートしますから、つらいときはぜひお話を聞かせてください。
現実に立ち向かう準備が整ったら、再発・転移乳がんに対してどのような対処が可能なのかを、知っていきましょう。

再発・転移乳がん治療の全体像

一言で「再発・転移乳がん」といっても、局所再発がんなのか遠隔転移がんなのかで、治療の目的および方法は大きく異なります。
局所再発は、最初にがんができた乳房及び周辺部位のみに同じ乳がんが再発したもの、遠隔転移がんは、最初の乳がんが乳房から遠く離れた骨や肺などにあらわれたものです。

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局所再発がんの治療法

局所再発乳がんは、遠隔転移がなければ治癒を目指すことが可能です。初回治療と同様に切除手術を行い、術後に追加で放射線治療や薬物療法を行います。

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遠隔転移がんの治療法

遠隔転移乳がんは乳房から離れた臓器に乳がんがあらわれたものですが、それ以外にも目に見えない小さな転移がんが体の中に隠れている、と考えられています。そのため遠隔転移がんに対しては、全身に対する効果(がんの進行を抑えて症状を和らげること)と生活の質を維持することを期待して、薬物療法を行います。

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遺伝子検査から見つかる次の治療法

遠隔転移がんに対しては、一つの抗がん剤の効果がみられなくなったら別の薬、というように、薬を取り替えながら治療を進めていきます。近年話題になっているがんゲノム医療では、標準的な治療が効かなくなってしまった患者さんに対し、がん細胞の遺伝子を検査して、その結果に基づいた新しい治療法を提供することを目指しています。

  • ※新しい治療薬が見つからない場合もあります

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このまま同じ治療を続けるかどうか迷ったら

抗がん剤を減らしたのに、辛い症状が治まらない。体力が回復しない。
転移乳がんの治療では、このような状況も十分に考えられることです。
そうなったときに、今の治療をこのまま続けるかどうかを考えるのはとても大切なことだと思います。しかし、患者さんやご家族だけで答えを出すのは難しく思われるかもしれません。
もし同じ治療を続けるかどうか迷ったら、医師に相談してみましょう。患者さんの希望や価値観を尊重しながら、その思いになるべく添えるような方法を提供することも、がん治療の一部です。

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このページの監修をしている先生

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坂井 威彦 先生

がん研究会有明病院
乳腺センター 乳腺外科 副部長

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原 文堅 先生

がん研究会有明病院
乳腺センター 乳腺内科 副部長