遺伝子検査から見つかる次の治療法
~先生からのメッセージ~
がんゲノム医療、という言葉をご存じでしょうか。個人が持つ遺伝情報に基づき、その人の体質や病状に合わせたがん治療を行うことです。
遠隔転移のある乳がんでは、標準的な治療が効かなくなってしまった患者さんへの次の一手として、がんゲノム医療によって、新しく使えるお薬を見つける試みがなされています。
一人ひとり異なる遺伝子から適切な治療を考える、新しい手法です。
がん遺伝子パネル検査の活用
がん組織を解析装置にかけ、一度に100以上の遺伝子を調べる検査が、がん遺伝子パネル検査です。
標準治療が効かなくなった遠隔転移のある乳がん患者さんにこの検査を行うことによって、その患者さんの遺伝子変化に適した新しいお薬を見つけられる可能性があります。
上記の場合であれば、この検査は保険診療内で行うことができます。
がん遺伝子パネル検査の結果から新しい治療に結び付く人は、全体の10%程度であるといわれています1)。あまり現実的な方法ではないと思われるかもしれませんが、検査を受けることが、新たな治療法の発見に結び付く可能性もあります。
必ず受けることが必要な検査ではありませんので、ご興味のある方は、担当の医師に相談してみましょう。