~先生からのメッセージ~
乳房にできるがんはひとくくりで乳がんと言われていますが、乳がんにはいろいろな種類があります。その種類によって性質が異なるため、近年はその種類(サブタイプ)毎に、異なった治療方針が立てられることが多くなってきました。そのためサブタイプを知ることは、自分にとって最善・最適の治療法を知ることにもつながるのです。
がんに対する不安がある中でも、より良い治療法を知る手段があることは、患者さんの助けになるのではないでしょうか。
採取したがん細胞から乳がんのサブタイプがわかります
サブタイプは、「何によって乳がんが増殖しているか?」を知ることでわかります。具体的には、乳がん細胞内に「女性ホルモン受容体」または「HER2(ハーツー)受容体」というタンパクがあるかどうかで、簡易的に決められています。
「女性ホルモン受容体」とは女性ホルモンが結合する受け皿で、女性ホルモンと結合すると増殖の指示を出します。一方の「HER2受容体」は、細胞表面に過剰に発現することで、細胞増殖を促進します。
サブタイプがわかると、がん細胞の性質がわかるだけでなく、どのような治療が効果的なのかを判断することができます。
このページの監修をしている先生
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坂井 威彦 先生
がん研究会有明病院
乳腺センター 乳腺外科 副部長
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原 文堅 先生
がん研究会有明病院
乳腺センター 乳腺内科 副部長