手術後の検診について
~先生からのメッセージ~
乳がんの初期治療(手術、化学療法、放射線療法)を終えると、術後の経過観察の時期に入ります。目で見える(画像で見える)がんはすべて取り除かれているので、まずは安心して日常生活をお送りください。乳がんはがんの中ではおとなしいタイプであるため、体内に目に見えないレベルのがんが残っていても術後すぐにはあらわれてこないことがあります。何か気になる症状がある時には担当の先生にご相談ください。
退院直後の診察
退院して最初の検診では、手術創やリハビリの進み具合を確認します。
その後病理検査の結果が出たら、検査でわかった腫瘍の大きさやがんの種類、がん細胞の悪性度、ホルモン受容体や遺伝子変異の有無などをもとに、その後の治療方針が決定されます。
手術後に放射線療法のみを行う場合は、できるだけ早めに開始したほうがよく、少なくとも手術から20週以内には開始することが望ましいとされています。抗がん剤による治療も必要となる場合は、抗がん剤で全身に散らばっている可能性のあるがん細胞をたたいてから、放射線療法を開始するのがよいとされています1)。
手術後の放射線療法については「放射線治療の流れ」ページをご覧ください。
乳癌手術後の診察の頻度
再発リスクに応じて変わりますが、一般的に6か月から1年ごとに行われます2)。
検診の内容
定期検診では、医師による問診・手術創の視触診を中心に行います。
それとは別に、年1回マンモグラフィ検査を受けることが一般的です。
血液検査(腫瘍マーカー)、遠隔転移を検索する画像検査(CT、骨シンチ、PETなど)は症状がないときに定期的に行うことは、乳癌の生存期間の延長に役立たないことが知られています。担当医の診察の元、必要に応じて受けることをお勧めします。