どんな治療をするの?

治療の全体像

監修 慶應義塾大学医学部 産婦人科学教室 准教授・婦人科診療副部長 
阪埜 浩司 先生

治療の全体像

まずは画像検査や内診でがんの広がり具合(進行期)を確定し、その進行期に基づいて、手術療法、化学療法、放射線治療を組み合わせて治療を行います。

子宮頸がん治療の全体像

内診・画像検査などによって進行期を確定

Ⅰ期

がんが子宮頸部に限局するもの(体部浸潤の有無は考慮しない)

ⅠA期

病理学的にのみ診断できる浸潤がんのうち、間質浸潤が5mm以下のもの
浸潤がみられる部位の表層上皮の基底膜より計測して5mm以下のものとする。
脈管(静脈またはリンパ管)侵襲があっても進行期は変更しない。

ⅠA1期

間質浸潤の深さが3mm以下のもの

ⅠA2期

間質浸潤の深さが3mmをこえるが、5mm以下のもの

ⅠB期

子宮頸部に限局する浸潤がんのうち、浸潤の深さが5mmをこえるもの(ⅠA期をこえるもの)

ⅠB1期

腫瘍最大径が2cm以下のもの

ⅠB2期

腫瘍最大径が2cmをこえるが、4cm以下のもの

ⅠB3期

腫瘍最大径が4cmをこえるもの

Ⅱ期

がんが子宮頸部をこえて広がっているが、膣壁下1/3または骨盤壁には達していないもの

ⅡA期

膣壁浸潤が膣壁上2/3に限局していて、子宮傍組織浸潤は認められないもの

ⅡA1期

腫瘍最大径が4cm以下のもの

ⅡA2期

腫瘍最大径が4cmをこえるもの

ⅡB期

子宮傍組織浸潤が認められるが、骨盤壁までは達しないもの

Ⅲ期

がん浸潤が膣壁下1/3まで達するもの、ならびに / あるいは骨盤壁にまで達するもの、ならびに / あるいは水腎症や無機能腎の原因となっているもの、ならびに / あるいは骨盤リンパ節ならびに / あるいは傍大動脈リンパ節に転移が認められるもの

ⅢA期

がんは膣壁下1/3に達するが、骨盤壁までは達していないもの

ⅢB期

子宮傍組織浸潤が骨盤壁にまで達しているもの、ならびに / あるいは明らかな水腎症や無機能腎が認められるもの(がん浸潤以外の原因による場合を除く)

ⅢC期

骨盤リンパ節ならびに / あるいは傍大動脈リンパ節に転移が認められるもの
(rやpの注釈をつける)

ⅢC1期

骨盤リンパ節にのみ転移が認められるもの

ⅢC2期

傍大動脈リンパ節に転移が認められるもの

Ⅳ期

がんが膀胱粘膜または直腸粘膜に浸潤するか、小骨盤腔をこえて広がるもの

ⅣA期

膀胱粘膜または直腸粘膜への浸潤があるもの

ⅣB期

小骨盤腔をこえて広がるもの

ステージに応じた治療法の決定(手術療法・薬物療法・放射線治療の単独または併用)

  • 日本産婦人科学会・日本病理学会編:子宮頸癌取扱い規約 病理編 第5版,金原出版,2022,p.16-17

専門医からのメッセージ

子宮頸がんでは、がんになる前の状態である子宮頸部高度異形成、および最も初期のがんである上皮内がんも治療の対象となっています。
これらについては、子宮頸部円錐切除術という手術が行われます。詳しくは「手術療法:ステージⅠ・Ⅱに対する治療法です」をご覧ください。

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