監修 広島大学病院 周産母子センター 准教授
阪埜 浩司 先生
HPV感染を予防するワクチンです
現在日本では3種類の子宮頸がん予防ワクチンが使用されています。2価ワクチンおよび4価ワクチンは、HPV16型と18型の感染を防ぐことができます。9価ワクチンは、HPV16型と18型に加え、31型、33型、45型、52型、58型の感染も防ぐことができます1)。
4価ワクチンでは、さらに尖圭コンジローマ(良性のいぼ)の原因となるタイプのHPVの感染も予防することができます。
1)厚生労働省:HPVワクチンに関するQ&A「HPVワクチンはどれくらい効くのですか?」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_qa.html#Q2-9(別ウィンドウで開きます)(2024年9月参照)

HPV感染、及びHPV感染による子宮頸部の異形成を予防する効果が確認されています。
ワクチン接種により、10万人あたり595~859人の子宮頸がん罹患、144~209人の子宮頸がんによる死亡を回避できると期待されています3)。なおワクチンを接種しなかった場合は、10万人あたり1322人が子宮頸がんになると推定されています3)。
3)厚生労働省:第31回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会
(平成29年11月29日) 資料17 HPVワクチンの有効性について
2024年9月現在、日本では2価、4価、9価の3種類のHPVワクチンが承認されており、すべて公的接種の対象となっています。
※横スクロールにて全体をご確認いただけます。
ワクチンの種類 |
感染予防できる |
特徴 |
推奨接種回数 |
---|---|---|---|
2価ワクチン |
HPV16・18型 |
子宮頸がんの主要な原因である2つのHPVの型に対応している |
3回 |
4価ワクチン |
HPV16・18・6・11型 |
尖圭コンジローマの原因ウイルスにも対応している |
3回 |
9価ワクチン |
HPV16・18型、6・11、31・33・45・52・58型 |
子宮頸がんの原因となるほとんどのHPVの型に対応している |
3回※ |
※1回目の接種を15歳になるまでに受ける場合は2回(0、6か月)
子宮頸がん予防ワクチンのリスクについて4)
副反応が疑われる症状についてはワクチン接種との因果関係を問わず報告が集められており、中にはまれに重い副反応が疑われる症状もあります。ワクチン接種との因果関係が否定できない方への救済制度や、接種後に症状があらわれた方に対する相談窓口もあります。
4)厚生労働省:HPVワクチンの情報提供について
平成30(2018)年1月 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html(別ウィンドウで開きます)(2024年9月参照)
もっと知りたい! 子宮頸がん みんなのQ&A

厚生労働省:HPVワクチンの情報提供について平成30(2018)年1月
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html(別ウィンドウで開きます)(2024年9月参照)
日本産科婦人科学会は、自治体が行うHPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)が定期接種対象ワクチンであることの告知活動を強く支持しています。
日本産科婦人科学会 声明(令和元年11月1日)
http://www.jsog.or.jp/modules/statement/index.php?content_id=38(別ウィンドウで開きます)(2024年9月参照)
子宮頸がん予防ワクチンはどこで受けられるの?
ワクチン接種は、市区町村で実施されています。
お住まいの市区町村のウェブサイトの保健・衛生に関するページを見るか、市役所・区役所の予防接種担当課にお問合せください。

市区町村で実施しているワクチンは、小学6年生~高校1年生(11歳~16歳)の女子が対象となっています。ワクチンの種類によって接種間隔は異なりますが、3回の接種が推奨されています。接種スケジュールなどについても、お住まいの市区町村のウェブサイトで確認するか、市役所・区役所の予防接種担当課にお問合せください。