子宮頸がん予防ワクチンって?

子宮頸がんの予防~HPVワクチン(予防接種)について

監修 慶應義塾大学医学部 産婦人科学教室 准教授・婦人科診療副部長 
阪埜 浩司 先生

子宮頸がんの原因はHPVへの感染であるため、ワクチンでHPV感染を予防することが、子宮頸がんに対する予防策にもなります。
45歳以下の女性であればHPV感染の予防効果が認められていますので1)、まだ受けていない方は、ぜひ接種を検討してはいかがでしょうか。インフルエンザなどの予防接種と同じように腕に注射するものなので、特別な準備などは必要ありません。
ここでは、HPVワクチンの受け方やかかる費用などについて解説します。

  • 1)Meites E, et al.:MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2019;68(32):698-702.

HPVワクチンとは?

HPVワクチンは、子宮頸がんの60~70%の原因となるHPV 16型とHPV 18型の感染を防ぐことができます1, 2, 3)
HPVワクチンは、お住まいの市区町村の提携医療機関や、クリニックなどで接種することができます。スケジュールを守って通うことのできる医療機関を選びましょう。

  • 1)Azuma Y, et al.: Jpn J Clin Oncol. 44: 910-7, 2014

  • 2)Onuki M, et al.: Cancer Sci.100: 1312-6, 2009.

  • 3)Huh WK, et al.: Lancet. 2017;390:2143-2159.

HPVワクチン接種の方法や費用について

HPVワクチンの定期接種対象である小学6年生~高校1年生(11~16歳)の女の子であれば、無料での接種が可能です。
これに加え、平成9年度~18年度生まれで平成25年~令和3年の間に定期接種の機会を逃した人は、令和7年(2025年)3月まで、あらためて公費での接種を受けることが可能になっています。

それ以外の年齢の方は、自費となりますが接種を検討してみてもよいでしょう。なお一部のワクチンについては、任意接種とはなりますが、肛門がん及び尖圭コンジローマの予防を目的として男性への接種も承認されています。
発熱などの体調不良時の接種はできません。また妊娠中の方への接種はできませんので、妊娠している可能性のある方は注意しましょう。授乳中の場合は、接種について医師に相談しましょう。

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