遺伝性の卵巣がんって?

監修 近畿大学医学部 産科婦人科学 教授 
松村 謙臣 先生

卵巣がんの原因が、生まれつきの遺伝子の変化であることがあります。遺伝性の卵巣がんでは、乳がんなど他のがんを発症する可能性が一般の人よりも高いため、専門の治療を受けることが推奨されます。
しかし、遺伝性の病気である可能性は、患者さんのこころに大きな影響を与える場合があります。専門のカウンセラーに不安や悩みを相談することができますので、家族のがん発症歴など気になることがあれば、速やかに専門の医師に相談してみましょう。

遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)とは

卵巣がんの約10~15%は、遺伝性のものだとされています1, 2)
これは遺伝子の一部に生まれつき病的な変化があることが原因で、卵巣がんのほかに乳がんを高確率で発症することから、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC:Hereditary Breast and Ovarian Cancer syndrome)と呼ばれています。

  • 1)Hirasawa A, et al.: Oncotarget. 2017;8(68):112258-112267.

  • 2)Enomoto T, et al.: Int J Gynecol Cancer. 2019;29(6):1043-1049.

HBOCの治療

HBOCの治療は、HBOCであると確定するための遺伝子検査をすることから始まり、段階的に進んでいきます。
また通常の卵巣がんとは異なり、将来のがんを予防するための手術をする場合があります。

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