遺伝性の卵巣がんって?

遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の治療

監修 近畿大学医学部 産科婦人科学 教授 
松村 謙臣 先生

遺伝性の卵巣がんの治療

遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の治療は、段階を経て行われます。

HBOCの治療フロー。検査を希望される方は遺伝子カウンセリングを受けた後、遺伝子検査を行います。BRCA1/2に変異がある場合、生活習慣改善や予防的な手術といったHBOCのマネジメントと、血縁者への情報提供が行われます。

HBOCの治療で行われること

すでに卵巣がんを発症している患者さんの場合は、分子標的治療薬という新しいタイプのお薬が使えるようになります。
まだがんを発症していない患者さんについては、将来的ながん発症を予防するために、卵管・卵巣を摘出する手術を行うことがあります。

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専門医からのメッセージ

HBOCは、自分で予防することができず、また完全に治すことのできない疾患です。それだけに、HBOCと診断された患者さんには、将来の健康に対する不安、お子さんへの遺伝に対する不安など、さまざまな不安があることでしょう。
このような不安に寄り添うためのプロセスが、遺伝カウンセリングです。遺伝カウンセリングではHBOCという疾患についての情報提供のほか、どのような治療を選択するかについてのフォロー、家族へ検査結果をどう伝えるかについてのアドバイス、また心理的な支援や、経済的な負担についての情報提供などが行われます。
もしHBOCの疑いがあって遺伝カウンセリングを受けられる場合は、なるべく負担のない形で治療を進めていくために、ご自分の不安や疑問をカウンセラーと共有するとよいでしょう。

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