どんな治療をするの?

治療の全体像

監修 近畿大学医学部 産科婦人科学 教授 
松村 謙臣 先生

治療の全体像

まずは手術をしてがんの広がり方(ステージ)を判定し、それに応じてその後の治療法を決定します。

卵巣がん治療の全体像

  • 日本婦人科腫瘍学会編:患者さんとご家族のための子宮頸がん子宮体がん卵巣がん治療ガイドライン 第3版, 金原出版, 2023, p153

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最初の手術で採取した組織から、がんの顔つき(組織型)が判定されます。組織型にはそれぞれ特徴があり、ステージと合わせて、最適な治療法の判断材料となるものです。組織型のうち、主要な4つの特徴は下記のとおりです。

漿液性がん

卵巣がんの中で最も多い組織型です。さらに、高異型度と低異型度に分類されます。

高異型度漿液性がん:

漿液性がんの中で圧倒的に多く、抗がん剤の効きがよいタイプです。

低異型度漿液性がん:

境界悪性腫瘍(「Q.卵巣がんのステージⅠとは、どのような状態なのでしょうか?」参照)を背景に発生するもので、抗がん剤の効きづらいタイプです。

明細胞がん 半数ほどはステージⅠの早期で見つかり、進行することはあまりありません。
ただし抗がん剤は効きづらいタイプです。
類内膜がん 正常細胞との形の違いはそこまで大きくなく(異型度が低い)、進行することはあまりありません。
粘液性がん 腫瘍の大きさが10cmを超えることが多いですが、進行することはあまりありません。良性腫瘍を背景に発生すると考えられています。
  • 日本婦人科腫瘍学会編:卵巣がん・卵管癌・腹膜癌治療ガイドライン 2020年版, 金原出版, 2020, p59より作成

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