しこりの原因は?
考えられる病気の特徴やチェックポイント

監修 愛知県がんセンター 血液・細胞療法部 部長 
山本 一仁 先生

しこりの基礎知識

しこりは、できものや瘤(こぶ)、はれものなどともいわれ、皮膚や皮下組織にできる腫瘤(しゅりゅう)と呼ばれるもののことを指します。全身の至るところに生じる可能性があります。
しこりには、良性のものと悪性のものがあります。良性のしこりには、脂肪腫、粉瘤、リンパ管腫、イボ、脂漏性角化症などがありますが、良性であっても、徐々に大きくなって、周囲の神経などを圧迫するようであれば、治療の対象になります。
しこりの原因や状態には、さまざまなものがあります。そのため、気になるようであれば、早めに病院を受診することが大切です。

しこりの原因となる主な病気の症状と特徴

脂肪腫

脂肪腫とは皮膚の下に脂肪細胞が増殖してできた脂肪の塊で、皮下に生じるしこりの中では最も多くみられます。筋膜下、筋肉内、筋肉間に生じる場合もあります。通常は、柔らかい良性のしこりが1つだけみられますが、まれに多発することがあります。

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粉瘤

粉瘤は、アテロームとも呼ばれ、皮膚の下に袋(嚢腫)ができ、本来であれば皮膚からはがれていくはずの角質と皮脂が、袋の中にたまってできたしこりのことです。体のいたるところで生じますが、顔、首、背中、耳のうしろなどにできやすい傾向があるとされています。

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リンパ管腫

リンパ管に奇形が生じる病気です。多くはリンパ管が形成される時期に何らかの異常が起きて生じると考えられていますが、原因はわかっていません。
首やわきの下にできることが多いとされますが、全身でできる可能性があります。かぜをひいたときなどに、熱発したり、腫れて痛んだりすることがあります。

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イボ

皮膚科では一般的に、イボといえばウイルスが感染してできるイボ(ウイルス性疣贅)を指します。原因となるウイルスはヒトパピローマウイルス(HPV)です。HPVには多くの種類があり、尖圭コンジローマの原因や子宮癌の原因になるウイルスとして知られています。

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脂漏性角化症

加齢によってできるイボのことです。紫外線や皮膚の老化が発生の原因と考えられています。健康な皮膚に近い色のものから、ほくろのように黒いものまで様々な色調があり、大きさは数mmから2~3cm程度です。少しざらついた表面で、形状としてはわずかに盛り上がるものや、突出したものなど、さまざまなものがあります。

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乳がん

乳がんの主な症状として乳房のしこりがあります。乳がんのしこりの特徴は、硬い、表面がデコボコしている、境目がはっきりしない、形が整っていない等の点があげられますが、乳房の大きさや硬さ、しこりの場所などによって異なるので、ご自分で判断せず、気になる場合には、医師の診察を受けましょう。

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肉腫

肉腫は、サルコーマとも呼ばれ、全身の骨や脂肪、筋肉、神経などから発生する悪性腫瘍のことです。肉腫の発生頻度は低く、悪性腫瘍全体に占める割合は約1%程度です。しかし、肉腫は若年者から高齢者まで幅広い年齢層の患者さんにみられ、また、全身のさまざまな部位・組織から生じます。

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悪性リンパ腫

リンパ球ががん化し、増殖してしまう病気です。このリンパ腫細胞によって、リンパ節が腫れて大きくなり、しこりがあらわれます。どこのリンパ節が腫れるかは、患者さんにより異なります。また、リンパ節以外の臓器にリンパ腫があらわれる場合もあります。悪性リンパ腫によるしこりは、まれに痛みを伴うこともありますが、多くの場合は痛みを伴わないしこりであることが特徴です。

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甲状腺がん

甲状腺がんは、甲状腺のしこりのうち、甲状腺をつくっている細胞ががん化して悪性の腫瘍となったものです。乳頭がん濾胞がん髄様がん未分化がん、悪性リンパ腫に分類されます。未分化がんや悪性リンパ腫では、声がかすれたり、しこりの部分をおすと痛みを感じたりすることがあります。

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不安な方は早期受診を

しこりのほとんどは、典型的な所見を持っているため、専門医であれば適切な判断が可能です。しこりが気になっていたり、しこりによって生活に影響があったりする場合には病院を受診しましょう。がんなどのリスクの大きい病気は、進行が比較的早い場合もあるため、早めに受診して、適切な対応をすることが大切です。悪性リンパ腫に関して気になるようであれば、血液内科を受診するとよいでしょう。

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