リンパ腫の症状
初期症状から進行時の全身症状まで

監修 愛知県がんセンター 病院長 
山本 一仁 先生

リンパ腫の症状とは

リンパ腫の症状は、リンパ腫細胞によって腫れが生じることによる症状と、リンパ腫細胞から出てくる物質により生じる症状の2つに大きくわけられます。

リンパ腫細胞による腫れ

頸部やわきの下、鼠径部、腹部、骨盤部などのリンパ節の腫れとしてみられることが多く、そのほかに扁桃、胸腺、脾臓などのリンパ組織、さらにリンパ外組織に発生することもあります。この腫れができた部位によっては、痛みが出たり、見た目のふくらみができたりします。

「しこりの原因は?
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リンパ腫細胞から出てくる物質により生じる症状

「B症状」といわれる発熱・体重の減少・盗汗(とうかん:激しい寝汗)といった、全身的な症状がみられる場合があります。

「原因不明の高熱が続く(不明熱)場合に
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「原因不明の体重減少から
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「ひどい寝汗(盗汗)はなぜ?
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医師からのメッセージ
気になる症状があらわれはじめたら

リンパ腫は病型によって進行の速度や治療の方法もさまざまです。症状が悪化する前に治療が開始できるように、気になる症状がある方は、そのままにしないことが大切です。ぜひ、医療機関を受診しましょう。

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頭(脳)

リンパ腫の細胞が脳の周りにある髄液に入り込むと、頭痛が起こることがあります。また、精神症状やけいれん、麻痺などがみられることもあります。

頭痛の症状

顔・目・鼻

リンパ腫によって顔の近くの血管が圧迫されたり詰まったりすることが原因で、顔面の腫れがみられることがあります。
また、目では視覚障害、視力低下、鼻では鼻づまり、中耳炎、副鼻腔炎などの症状がみられることがあります。

顔面の腫れ

首・甲状腺・鎖骨

リンパ腫はリンパ節の多い部分で腫瘤(しこり)をつくります。
首:しこりや痛み
甲状腺:しこり
鎖骨:周りにしこり、痛み、しびれ

リンパ節の腫瘤(しこり)

のど・肺

肺や気管の近くにリンパ腫ができると、息苦しさが現れます。その他にも、せき、のどの違和感、食事中にむせるなどの症状がみられることがあります。

のどの違和感

脇の下・腕・ひじ

リンパ腫はリンパ節の多い部分で腫瘤(しこり)をつくります。
わきの下:しこり、脇が閉まらない
腕:はれ、痛み、しびれ
ひじ:周りにしこり、肘の運動制限、痛み

わきの下のしこり

皮膚

皮膚組織の中のリンパ球ががん化することで皮膚に皮疹、腫瘤、出血、感染などの症状があらわれます。

皮疹(ひしん)

胃・お腹・背中

食欲低下、腹痛、下痢、便秘、消化不良、腸閉塞、腹膜炎、血便、背中の痛みなど様々な症状がみられることがあります。

消化不良

足・ひざ

リンパ腫はリンパ節の多い部分で腫瘤(しこり)をつくります。
足:しこり 、むくみ、痛み、しびれ、歩行困難
ひざ:ひざの裏にしこり、下腿のむくみ、痛み、しびれ

ひざの痛み

●B症状

リンパ腫は全身的な症状として「盗汗(激しい寝汗)」「体重の減少」「発熱」を伴うことがあります。これらの全身症状を「B症状」と言います。

盗汗(激しい寝汗)

寝具(掛け布団、シーツなど)を替えなければならないほどの汗をかくことがあります。

激しい寝汗

●B症状

リンパ腫は全身的な症状として「盗汗(激しい寝汗)」「体重の減少」「発熱」を伴うことがあります。これらの全身症状を「B症状」と言います。

体重減少

診断前6カ月以内に、通常の体重の10%を超える原因不明の体重減少がみられる場合があります。

体重減少

●B症状

リンパ腫は全身的な症状として「盗汗(激しい寝汗)」「体重の減少」「発熱」を伴うことがあります。これらの全身症状を「B症状」と言います。

発熱

38℃をこえる原因不明の発熱を起こすことがあります。

発熱