原因不明の体重減少から
考えられる病気とは?

監修 愛知県がんセンター 血液・細胞療法部 部長 
山本 一仁 先生

原因不明の体重減少の原因は多様に存在する

食欲がわかず、食べる量が減ってしまうことが続いて体重が減少したり、あるいは、食欲もあり、よく食べているのに体重が減少したりする場合、その背景には、さまざまな病気がある可能性が考えられます。
食欲なんて、そのうち戻る…と考えずに、はやめに医療機関を受診するようにしましょう。

体重減少が起こる原因

体重減少が起こる原因としては、食事量の減少、エネルギー消費の増大、栄養分の吸収不良が主に考えられます。
食事量は変わらないのに、原因のわからない体重減少が続く場合は、病気による体重減少が起こっている可能性があります。

日常生活から考えられる原因

日常生活においては、体重減少の原因として、食事量の減少(ダイエットなど)、エネルギー過剰消費(激しいスポーツなど)、ストレスなどが考えられます。

体重減少をともなう主な病気の症状と特徴

神経性食欲不振症(拒食症)

過度のダイエットを行ったり、食べたものを吐き戻したり、下剤を乱用することなどがみられ、これらが習慣化している場合もあります。肥満に対する恐怖心や痩せていることへの極端な願望が根底にあり、思春期の女性に多くみられます。やせや栄養不足による症状として、体重減少のほか、無月経・便秘・低血圧などがみられ、電解質異常などもみられます。

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糖尿病

生活習慣病の一つで、インスリンの分泌や働きが低下し、血糖値が高い状態が続きます。初期にはほとんど症状がみられませんが、進行に伴って動脈硬化が進行し、脳卒中や虚血性心疾患の危険性が高まります。摂取した糖質を栄養として取り込むことができなくなり、脂肪や筋肉にあるたんぱく質を利用するようになるため、体重減少を来たします。

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バセドウ病(甲状腺機能亢進症)

甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、甲状腺機能が亢進した状態になる病気です。甲状腺ホルモンは全身の代謝を調節するホルモンであり、過剰な分泌によって全身の代謝が亢進されます。そのため、消費エネルギーが摂取エネルギーを上回り、食欲が増強するとともに体重減少がみられるようになります。

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慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍

胃の痛みやもたれ、吐き気、食欲不振などの消化器症状により食欲が低下し、体重減少を来たします。ストレスや不眠、暴飲暴食、ピロリ菌感染などによって起こると考えられています。胃潰瘍の場合は食後、十二指腸潰瘍では早朝や空腹時にみぞおち周辺が痛みます。十二指腸潰瘍では食事をとると痛みが軽減することが特徴です。

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潰瘍性大腸炎

大腸の粘膜に炎症が起き、潰瘍やただれができる病気です。20代~40代の若い人に多く発症します。再燃を繰り返す場合もあります。主な症状として、下痢、粘血便があり、腹痛や食欲低下を来たす場合もあります。重症になると発熱や貧血などの全身症状がみられます。大腸での吸収が困難になるため、下痢に伴う体重の減少が多くみられます。

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吸収不良症候群

体に必要な栄養素と水を吸収できなくなる障害を来たします。そのため、体内では栄養が不足し、食欲低下がなくても体重減少がみられます。ほかにも、慢性的な下痢や脂肪便、全身のむくみ、貧血、口内炎などがあらわれます。

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悪性リンパ腫

リンパ球ががん化し、増殖してしまう病気です。全身の臓器に発生する可能性があり、リンパ腫が消化器やその周辺に広がることで、消化器症状や食欲低下がみられ、体重減少を来たすようになります。

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胃がん

初期にはほとんど症状があらわれませんが、進行にともなって、胃痛や胸やけ、嘔吐、吐血などがみられるようになります。それらの症状により食欲不振や体重減少を来たします。発症の原因として、塩分の過剰摂取やピロリ菌感染などが考えられています。

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大腸がん

初期には自覚症状はほぼみられませんが、症状が進行すると肉眼でわかる血便、便秘や下痢、腹痛などの便通障害や食欲不振があらわれ、体重減少を来たします。発症の原因として、食物繊維が少なく動物性脂肪の多い欧米化された食生活と関連があると考えられています。

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肺結核

結核菌に感染することにより、せき、たん(検査でわかる血たんを含む)、微熱などの症状が2週間以上続きます。症状が進むと食欲不振や倦怠感をともない、体重減少を来たします。肺以外の臓器にも病巣を作る場合があります。

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うつ病

憂うつ、気分が重いといった抑うつ気分や、何をしても楽しくない、何にも興味がわかない、疲れているのに眠れない、一日中ねむい、いつもよりかなり早く目覚めるといった状態があらわれ、2週間以上続く場合、うつ病と診断される目安となります。多くの場合、これらの症状とともに、食欲減退がみられ、食事の量が低下して体重減少を来たします。

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アジソン病

慢性的に副腎皮質機能の低下がみられ、副腎皮質ホルモンの分泌が低下する病気です。疲れやすい、全身の倦怠感、筋力低下などの他、食欲不振、 悪心 ・嘔吐、下痢などの消化器症状もみられ、体重減少を来たします。ほかにも無気力、不安、うつなどの精神症状や、頭痛、めまい、性欲減退など、さまざまな症状がみられます。皮膚に色素沈着が起きることも特徴的な症状です。

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