多発性骨髄腫の検査と診断

監 修 | 京都府立医科大学 血液内科学 教授 黒田 純也 先生

多発性骨髄腫ではどんな検査をして診断されるのですか?それぞれの検査で何がわかるのですか?

多発性骨髄腫かどうかの診断をする際、また、多発性骨髄腫であった場合に、病期や関連する症状、染色体遺伝子の異常などを調べるために、様々な検査をします。全身の臓器を調べて、既往症や合併症の有無も確認します。

多発性骨髄腫の主な検査と流れ

症状や血液検査、尿検査などで、多発性骨髄腫の可能性が考えられた場合には、骨髄検査確定診断を行います。このとき、染色体遺伝子などの専門的な検査も行います。

血液検査ではさまざまな血球の数を測定し、造血機能を確認します。
また、骨髄腫の進行度や腎臓の障害を調べるために、免疫グロブリンの量、Mタンパクの量、LDH(乳酸脱水素酵素)BUN(血液尿素窒素)クレアチニンカルシウムアルブミンβ2ミクログロブリンなども測定します。

骨髄検査では、骨髄液または骨髄組織を採取し、顕微鏡で骨髄腫細胞の存在や比率を調べ、診断を確定します。また、骨髄腫細胞の形や細胞表面の分子の性状を調べ、細胞の成熟度を確認します。
さらに、染色体検査も実施し、予後に関わる異常がないかどうかを検討します。このとき、骨髄以外の組織に腫瘍がみられるときには、その組織の細胞を採取して検査をします。

尿検査では、24時間の尿を集める全尿検査を行います。骨髄腫細胞から産生されるベンスジョーンズタンパク(BJP)やMタンパクの尿への排泄の有無を調べ、同時に腎臓の働きへの影響が出ていないかなども確認します。

また、多発性骨髄腫と診断された場合には、CT検査MRI検査PET検査、X線検査などで全身の骨の病変や、病的な骨折の有無などを調べます。CT検査MRI検査が使用できるようになり、X線で検査をする場合よりも、より小さな病変についても検出できるようになりました。さらにPET検査を行うことで、病勢についても診断できるようになったほか、骨髄の外に広がった病変を確認する場合もあります。そのほかにも、各種合併症の有無も調べます(図)。

多発性骨髄腫の主な検査と流れをチャートで解説

木崎 昌弘:血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫 よくわかるがん治療, p114-115, 主婦の友社,
2020を参考に作成

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骨髄検査について

骨髄検査は、腸骨に直接、骨髄検査専用の針を刺して骨髄液を採取する検査です。針を刺すことや痛みがあることで検査を不安に感じる方もいらっしゃいますが、検査部位にはあらかじめ局所麻酔を行いますので痛みはかなり軽減できますし、数分で検査は終了します。そのほか、各種の方法で患者さんの負担ができるだけ少なくなるようにしています。多発性骨髄腫の診断を確定するために重要な検査ですので、あまり怖がらず、必要に応じて受けていただきたいと思います。

骨髄検査のイラスト

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