乳がんの症状は？
～先生からのメッセージ～
乳がんが気になる方がまず知りたいのは、どんな症状があるのか、ということでしょう。
典型的な症状は乳房のしこりですが、乳がん以外の良性疾患でもしこりができることがあり、なかなかそれだけで乳がんとは判断できません。
何か症状があるからといって焦りすぎることはありませんが、自己判断は禁物です。
しこり
乳がんの最も典型的な症状です。乳房は月経周期によって硬くなることがありますが、乳がんのしこりはこりこりと硬く、触ってもあまり動かないことが特徴です。また、しこりに伴う痛みはほとんどないようです。
乳がん以外の病気でも乳房にしこりができることはありますので、まずは乳腺外科を受診しましょう。
乳房の形や皮膚の変化
がんが乳頭や乳房の皮膚を引き込んでしまうために、乳頭や乳房の一部がへこんだり、えくぼのようなくぼみができることがあります。また、左右で形に差があることも乳がんの特徴の一つです。
乳頭からの分泌物
乳頭から分泌物が出る原因はいくつかありますが、多くは月経等のホルモンバランスの変化で生じる良性疾患によるものが多いです。しかし、血が混じっていたり、片側の乳房にのみ分泌物がある場合は、乳がんの可能性があります。区別が難しいこともあるため、乳腺科・乳腺外科での精密検査をお勧めします。
乳がんの症状としてよく知られるしこりは、乳がん以外の病気によるものとの区別が難しい場合があります。また必ずしもがんがしこりとなってあらわれるわけではなく、検査でのみがんがわかる場合もあります。
もししこりを見つけたら速やかに乳腺外科を受診していただくのはもちろんですが、特に症状がなくても、定期的に乳がん検診を受けて早期がんを見つけられるようにしておきましょう。
乳がんの典型的な症状をご紹介しましたが、乳がん以外の乳房の病気でみられる症状もありますので、自己判断で決めつけないようにしましょう。また、症状がないうちから乳がん検診で乳房を詳しく調べてもらうことは、とても大切です。
仕事などで忙しい方には億劫に感じられるかもしれませんが、将来の健康を守るためのお手入れ、と考えれば、少し検診を受けてみようかな、という気持ちになられるのではないでしょうか。