なぜホルモン療法をするの?
~先生からのメッセージ~
ホルモン療法は、ホルモン受容体陽性乳がんに有効な薬物療法です。女性ホルモンとがん細胞のホルモン受容体の結合を阻害してがん細胞の増殖を抑えます。
乳がんでは、ホルモン療法は主に全身のがん細胞を根絶するため、転移がんの進行を抑えるために行われます。
乳がんに対するホルモン療法のイメージ
ホルモン療法薬は、女性ホルモンのエストロゲンとその受容体の結合を阻害して、がん細胞の増殖を抑えるお薬です。
エストロゲンそのものを減らすお薬と、エストロゲンが受容体に結合するのを防ぐお薬があります。
ホルモン療法が適応となる乳がん
ホルモン受容体が陽性のがんに対して実施されます。
閉経前の女性ではエストロゲンは卵巣で作られますが、閉経を迎えた女性では、男性ホルモンが副腎や脂肪組織でエストロゲンに変換されることで作られるようになります。そのため、エストロゲンそのものを減らすお薬については、閉経前と閉経後で異なるものが選択されます。
閉経の定義は、①60歳以上、②45歳以上で過去1年以上月経がない場合、のいずれかと定義されており、閉経しているかどうかわからない人については血中のエストロゲンと卵胞刺激ホルモンの量から判断します1)。