乳がんと診断された乳がんと診断された

乳がんの手術療法乳がんの手術療法

腋窩リンパ節郭清(えきかりんぱせつかくせい)

~先生からのメッセージ~

脇の下のリンパ節は腋窩リンパ節と呼ばれ、乳がんが最も転移しやすいリンパ節です。そのため昔は乳がんと診断を受けると、乳房の手術と同時に脇の下のリンパ節を取り除く腋窩リンパ節郭清が行われていました。しかし腋窩リンパ節郭清では、上肢のリンパ浮腫(手術側の腕がパンパンに腫れてしまうこと)や、二の腕の内側の皮膚の感覚異常、腕の可動域制限(腕が上がりにくくなる)といった合併症が高頻度で生じることが問題となります。
術後の患者さんの生活の質を守るために、最近では乳房の手術と同時に腋窩リンパ節郭清の必要性を判断して、不要な腋窩リンパ節郭清を避ける方法が世界中で実施されています1)
医学の進歩によって、治療成績だけでなく患者さんの負担軽減にも向上していることがわかる、よい例ではないでしょうか。

1)参考:日本乳癌学会編:患者さんのための乳がん診療ガイドライン2019年版, 金原出版, 2019, P93-4

腋窩リンパ節郭清とセンチネルリンパ節生検

手術前に腋窩(わきの下)リンパ節に転移があると診断された場合は、リンパ節と周囲の脂肪をまとめて摘出する郭清を行います。
腋窩リンパ節転移がない、もしくは疑いがあると診断された場合は、郭清の必要性を判断するために、センチネルリンパ節生検を行います。

腋窩リンパ節郭清

腋窩に広がったがんを取り除き、再発を予防することが目的です。転移個数により再発リスクを評価し、術後の治療方針決定に役立てます。

<郭清の範囲>
リンパ節転移の広がる順に合わせて、どの範囲まで郭清するかが定められています。
現在では合併症予防のため、郭清はレベルⅠ、Ⅱまでにとどめ、大きく腫れたリンパ節がある場合のみレベルⅢでの郭清を行うようになっています。
(イメージ図)
郭清のレベルⅠ、Ⅱ、Ⅲの範囲をイメージ図で表現。
センチネルリンパ節生検

センチネルリンパ節(がん細胞が最初に到着するリンパ節)を切除して転移の有無を調べることです。
転移がなければそれ以上リンパ節転移は広がっていないと考えられるため、不要な腋窩リンパ節郭清を行わずに済みます。

このページのトップへ