人工物による再建
~先生からのメッセージ~
シリコンなどの人工物を、胸の皮膚の下に入れる方法です。
前処置(エキスパンダ―という器具を胸の筋肉の下に入れて皮膚を伸ばすこと)と再建(伸びた皮膚の下に人工物を入れる)の2つの工程で行われます。
手術の時間が短くて済むこと、乳房以外には傷をつける必要がないこと、術後の安静期間が短いことなど、自家組織再建に比べて患者さんの負担が小さい方法です。
人工物を挿入する方法
人工物はシリコン製のため安全性が高く、また乳房以外の部位に新たな傷をつけなくて済む方法です。
乳房切除後
切除創からエキスパンダーという器具を胸の筋肉の下に入れて、数か月かけて生理食塩水を少しずつ注入し、皮膚を伸ばしていきます。生理食塩水の量を増やしていくと、皮膚に痛みや圧迫感を感じることがあります。
皮膚の拡張後
エキスパンダーと人工物を入れ替えます。
主な合併症
エキスパンダー・人工物のいずれも、挿入後に感染や血腫・出血、壊死・創の離開などの合併症が起こる場合があります。その結果、挿入した人工物の取り出しや入れ替えが必要になることがあります。
自家組織による再建とインプラントによる再建の比較表
※横スクロールにて全体をご確認いただけます。
自家組織を使う方法 |
インプラントを使う方法 |
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乳房再建の方法 |
腹直筋皮弁法 |
広背筋皮弁法 |
エキスパンダー+インプラント |
手術のための入院 |
最低術後2週間 |
最低術後1日~数日 |
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手術時間 |
腹直筋皮弁法、広背筋皮弁法:4時間前後 |
エキスパンダーの挿入: |
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手術のからだへの負担 |
大きい |
比較的大きい |
比較的小さい |
傷 |
組織を取った |
組織を取った |
乳房全切除術の傷のみ |
通院での治療 |
数週に1度の診察のみ |
エキスパンダーへの生理食塩水の注入のため数週に1度の診察のみ(約3~6か月間) |
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仕上がり後の手ざわり |
自然 | 自然、ただし脂肪が少ないのでボリュームが足りないことがある | インプラントなので、やや硬い感じ |
放射線療法後の適応 |
可能 |
可能 |
症例による |
大胸筋欠損の人の適応 |
できる |
できる |
できない |
費用 |
保険適用 |
保険適用 |
保険適用(ステージⅡ以下) |