乳頭や乳輪の再建
~先生からのメッセージ~
乳房再建術後、または乳房温存手術であっても乳頭・乳輪を切除した場合は、乳頭・乳輪の再建を検討することができます。
再建の方法、方法の違いによるメリットやデメリットを考慮して、再建方法を決定します。
短時間で済む手術のため、基本的には日帰りで行うことができます。
がんではない側(健側)の乳房から移植する方法
健側乳房の乳頭・乳輪の一部を切除し、再建した側の乳房に移植する方法です。
- 将来授乳を考えている人には適しません。
- 健側の乳輪の大きさが足りない場合は入れ墨で色を補いますが、次第に色が薄くなるため、数年後に再着色する必要があります。
- 質感、色を左右でそろえることができます。
再建した乳房の皮膚から再建する方法
乳頭周囲の皮膚に切り込みを入れ、立体的に縫い合わせる方法です。
- 健側の乳頭の大きさが足りない場合、将来授乳を考えている場合に適しています。
- 再建した乳頭は柔らかく支えがないため、長い時間が経つとつぶれて平らになってしまいます。
乳頭・乳輪の再建は、乳房再建後に位置や大きさが落ち着いたら、実施を考えることができます。乳頭・乳輪の再建も保険適用が認められていますので、興味のある方は検討されるとよいでしょう。
乳房を再建することで薄着や胸の空いた服、水着を着用したときの違和感はなくなりますが、さらに乳頭・乳輪を再建することで、温泉や銭湯などに行きやすくなる、ということがあるようです。
なお乳頭・乳輪の再建まで考えてはいない、という方には、接着剤でつける人工の乳頭・乳輪が発売されています。