乳房再建はいつすればいいの？
～先生からのメッセージ～
乳房再建の時期については、ご自分の気持ちに照らし合わせて検討するとよいかもしれません。
乳がんの手術と同時に再建を行う方法では、乳房のふくらみが維持されるため喪失感が少ないでしょう。一方、がんの手術に集中したいという思いがある場合は、改めて再建を行うほうがよいでしょう。
再建時期については医師や医療機関側の状況も関連しますので、関係者間でよく話し合うようにしましょう。
乳房再建の時期①：一次再建
乳がんの手術と同時に再建手術をすることです。
乳房再建の時期②：二次再建
乳がんの手術を終えたあと、改めて再建手術をすることです。
さらに、1回の手術で再建を終えてしまうことを一期再建、皮膚を伸ばす処置をしてから再建を行うことを二期再建といいます。
再建時期を検討する際にもう一つ考慮しなければならないことが、術後放射線療法を行うかどうかです。放射線治療は皮膚にダメージを与えるため、放射線治療後は人工乳房による再建はあまり推奨しない、とガイドラインに記載されています1）。一方放射線治療後の自家組織は可能とされていますが1）、創部の回復や仕上がりがあまり良好でないようです。
担当の乳腺外科医や形成外科医とともに、術後放射線療法を受ける可能性、ご自分が希望する再建方法および再建時期を伝え、どのような段取りにするのがよいかを相談するとよいでしょう。
1）参考：日本乳癌学会：乳癌診療ガイドライン2022年版, 金原出版, 2022,放射線療法BQ8