乳がんの治療を受けている乳がんの治療を受けている

乳がん治療中の生活について乳がん治療中の生活について

辛い症状にはこう対処しましょう

~先生からのメッセージ~

乳がん治療に伴う副作用の中でも、吐き気・嘔吐、疲れやだるさは特に辛いものです。また抗がん剤により免疫力が低下するため、感染症対策も考慮しなければなりません。
ある程度の副作用は避けられないものですが、がまんしなければならないものではありません。副作用が出ているからといってお薬が効いているということにはなりませんので、辛いときには必ず医師に相談しましょう。患者さんが快適に日々を過ごせるようにすることも、治療の一部です。

吐き気・嘔吐

抗がん剤により、消化管の粘膜や嘔吐に関連する脳の部位が刺激されることで症状があらわれます。

病院では

使用している抗がん剤に応じた吐き気止めの薬を使います。点滴の前に吐き気止めの薬を投与するほか、帰宅後に服用するための内服薬が処方されるので、症状に応じて飲むようにしましょう。

セルフケア
  • 点滴を受ける日は食事を控えめに。消化のよいものをゆっくり、よくかんで食べます。
  • 食欲がないときは無理をせず、食べたくなった時に食べたいものを摂りましょう。
  • 服はゆったりしたものを選びましょう。
  • 食べられないときは、スポーツドリンクなどで脱水予防をしましょう。水分が摂れない場合は点滴が必要ですので、受診してください。
  • リラックスすることで、予測性の吐き気・嘔吐(前の点滴時の吐き気を思い出して、次の治療時に症状が出ること)を緩和できます。好きな音楽を聴いたり、好みのアロマオイルをかいでみるなどの方法があります。

疲れやだるさ

がん治療に伴う疲労感を特に「がん関連疲労」といい、抗がん剤の副作用としてのほか、放射線治療やがんそのものに付随する疲労、不安や不眠に疲労が影響しあったものとされています1)

病院では

疲労の原因を考慮し、それに応じて貧血治療薬や抗うつ剤などのお薬が処方されます1)

セルフケア
  • 一日の中のだるさのパターンを把握し、だるさが弱い時間帯に行動できるように生活を整えます。
  • どうしても動けないときは、身の回りのことを手伝ってもらえるように家族などにお願いしておくとよいでしょう。
  • 休む時間を確保し、楽な姿勢で休むようにします。休息は少しずつ、こまめにとりましょう。
  • 可能な範囲で軽い運動を行うと体力が維持され、気分もリフレッシュできます。
  • 体調が許せば、散歩や趣味の活動を楽しんで気分転換するのもよいでしょう。

1)吉澤ほか.: Jpn J Pharm Palliat Care Sci. 2014;7:1-6

感染症予防

抗がん剤により白血球数が減って、免疫力が一時的に低下します。3週間ほどで回復するとされていますが2)、それまでは感染症に気をつけて過ごしましょう。

病院では

感染予防のために、好中球(白血球の中でも病原菌から体を守る役割を持つもの)を増やす薬を投与することがあります2)

セルフケア
  • 人混みや換気の悪い場所、大勢の人が集まっておしゃべりをしているような場(居酒屋、ライブハウスなど)は避けましょう。
  • 手洗い、うがいをこまめに行いましょう。
  • 特に人と会話するときには、マスクを着用しましょう。
  • 気になる症状があれば、早めに病院に連絡して相談しましょう。

2)参考:日本乳癌学会編:患者さんのための乳がん診療ガイドライン2019年版, 金原出版, 2019, P166

清水先生から、あなたへのメッセージ

医学の進歩により、副作用を抑える技術は向上し、吐き気止めもいろいろな種類のものが登場しています。それでも、仕事や家事を行いながら吐き気・嘔吐、だるさに耐えるのは並大抵のことではないでしょう。抗がん剤治療の目的は、がんを抑えて患者さんに自分らしい生活を送っていただくことです。ですから、辛い副作用に無理に耐える必要はありません。
辛いときに医師に相談していただくのはもちろんですが、お薬のプロフェッショナルである薬剤師さんにお話を聞いてみるのもよいかもしれません。薬剤師さんも、あなたを支えるチームの重要な一員です。

コラム どう防ぐ? 新型コロナウイルス感染症

未だ収束の気配が見えない新型コロナウイルス感染症の流行に、不安を感じる方は多いことでしょう。免疫力が低下している乳がん治療中の方なら、なおさらその不安は強いことと思います。
そんなときこそ、感染予防の初歩に立ち返りましょう!マスクなしでの会話や大勢での会食をしない、手洗い・うがい、換気をこまめに行うといった基本的な対策が有効です。またウイルスは低温低湿の環境を好むので、加湿器を使うのもいいですね。
厚生労働省のWebサイトでは、科学的知見に基づいた新型コロナウイルス感染症の最新の知識が公開されています(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html)(2021年4月閲覧)。
正しい知識を身に付け、新型コロナウイルスに負けない生活スタイルを工夫しましょう。

「患者さんのための新型コロナウイルス感染症対策生活MAP」
PDFダウンロード

このページのトップへ