治療中に叶えたいこと、を考えましょう
~先生からのメッセージ~
ここでは、治療中の生活をなるべく快適に過ごすためのヒントをご紹介します。
医師から特別に指示や注意がないかぎり、生活上の制限はありません。体調に合わせて、今までやっていたこと、やってみたいと思っていたことにチャレンジしてみてはいかがですか?
治療中でも今までと同じ日常生活を楽しむことは、ご自分にとってとても自信のもてる経験となるでしょう。
旅行に行ってみたい
体調に問題がなければ、旅行に行くことは差し支えありません。ただし治療によって体調が悪くなることがありますので、医師・看護師・薬剤師に相談して、治療スケジュールを考慮した日程を立てるとよいでしょう。
ヒント
- 温泉に入る際は、入浴着があると便利です。訪問する温泉や入浴施設での着用が認められているかは、事前に確認しましょう。また内風呂のある旅館を選ぶのもよいでしょう。
腋窩リンパ節郭清を受けた方は、体に負担をかける温泉は避けましょう。 - 万が一の場合に備えて、緊急時の連絡について医療スタッフに確認をとりましょう。また、お薬手帳や患者日誌を持っていきましょう。
- 無理なく旅を楽しむヒントが掲載された冊子「Cancer&Travel」をぜひご覧ください。
“がんwith”に詳しい情報が掲載されていますので、ぜひ、ご覧ください。
- がんwith:Cancer&Travel ゆったり楽しむのんびり時間(トラベル)
https://ganwith.jp/life/cancer_and_travel.html[2024年5月閲覧]
スポーツを楽しみたい
術後十分に体調が回復していて医師の了承が得られているようなら、スポーツを楽しむことができます。適度に体を動かすことは肥満予防にもなるので、積極的に挑戦しましょう。
ヒント
- リンパ浮腫予防のため、虫刺されや日焼けの予防はきちんと行いましょう。また術側の腕を酷使するような運動は避けたほうがよいでしょう。
- 必要であれば、乳がん患者さん用のスポーツブラや水着を購入しましょう。
食事を楽しみたい
化学療法による吐き気・嘔吐がなければ、食べたいものを食べてかまいません。ただし肥満にならないようにバランスの良い献立を心がけ、お酒はたしなむ程度にしましょう。お刺身などの生ものは食べても問題ないですが、新鮮なものを摂るようにしましょう。
ヒント
- 薬物療法中・放射線治療中の方のためのレシピが、いろいろな医療機関のWebサイトで公開されています。乳がん患者さんのためのレシピ本も出ていますので、お料理が好きな方は参考にするとよいでしょう。
性生活について
体調がよく、気分の上で問題がなければ性生活に特に制限はありません。ただし治療中の妊娠は胎児に影響を及ぼす可能性があるため、生理がない時期であってもコンドームで避妊をしてください。パートナーとよく話し合い、二人にとって無理がなく、心地よいやり方を探してみてはいかがでしょうか。
ヒント
- 経口避妊薬(ピル)は病気を悪化させる可能性があるため、使えません。
- 性交痛がある場合は、腟潤滑ゼリーを使用するとよいでしょう。
- 手術から3~4か月後に性生活を再開する方が多いようです1)。