乳がんの治療を受けている乳がんの治療を受けている

乳がんの再発・転移を考える乳がんの再発・転移を考える

~先生からのメッセージ~

せっかく手術を受け、術後治療も順調に進んでいるのに、再発・転移のことなんて考えたくない!と思われることでしょう。しかし一度がんになった以上、再発・転移のことが気になってしまうのではないでしょうか。
標準的な治療を受けていれば、あまり不安になりすぎる必要はありませんが、再発・転移について正しい知識を持っておくことで、万が一のときにも落ち着いて対処することができるようになります。
このコンテンツで、乳がんの再発・転移とはいったいどのようなことなのか、少しでも理解していただければと思います。

乳がんの再発・転移って?

再発とは、最初の乳がん発症時から体のどこかに隠れていた小さながん細胞が、治療後に再びあらわれることです。一方の転移は、最初の乳がんが骨や肺など、乳房から遠く離れた部位にあらわれることです。
乳がんは比較的進行の遅いがんのため、手術から10年以上経過してから再発・転移が見つかることもあります1)

1)参考:日本乳癌学会編: 患者さんのための乳がん診療ガイドライン2019年版, 金原出版, 2019, p144

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再発・転移を予防したい!

乳がんの再発・転移の予防について、明らかになっていることはわずかですが、適正体重の維持や禁煙、適度な運動によって、乳がんの再発リスクを抑えられる可能性があります2)。乳がんの再発・転移予防のためにご自身でできることとしては、バランスのいい食事、運動といった健康的な生活習慣があります。

2)参考:日本乳癌学会編: 患者さんのための乳がん診療ガイドライン2019年版, 金原出版, 2019, p198-199, 202

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再発・転移の症状

局所再発(最初の乳がんのがん細胞が、手術を受けた側の乳房やその周辺にあらわれること)は、最初の乳がんと同様にしこりとして自覚されることがあります。そのため、治療後も月1回のセルフチェックを行うことが有効だと考えられます。
一方の転移がんは、転移した臓器に症状があらわれます。骨に転移したのであればその部位の痛み、肺に転移したのであれば息切れや咳、脳に転移したのであれば頭痛やめまい、手足の麻痺症状などがあります。このような症状がみられたら主治医などに相談し、必要な検査を受けるようにしましょう。

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このページの監修をしている先生

坂井 威彦 先生

がん研究会有明病院
乳腺センター 乳腺外科 副部長

原 文堅 先生

がん研究会有明病院
乳腺センター 乳腺内科 副部長