監修 広島大学病院 周産母子センター 准教授
阪埜 浩司 先生
薬物療法:主にⅠB・Ⅱ期に対する手術後の再発予防、およびⅢ期・ⅣA期に対する治療として、放射線治療と併用して行われます
子宮頸がんに対する薬物療法は、放射線治療と同時並行で行われることが多くあります。またⅣB期に対して、症状緩和のために行われます。

術後の再発予防として
手術で摘出したがんを確認し、再発リスク因子、特に骨盤リンパ節への転移と子宮傍結合織浸潤が確認できた場合は、放射線治療と並行して化学療法を行う同時化学放射線療法が推奨されています。
体の外から骨盤全体に放射腺を照射する外部照射と組みあわせて、注射剤を点滴投与することが標準的な方法です。
Ⅲ期・ⅣA期に対する治療として
治療の第一選択肢として、同時化学放射線療法が行われます。化学療法と放射線治療を組み合わせることで、放射線治療の効果をさらに高めること、また全身に広がる目には見えない小さながん細胞を根絶することが期待されます。
外部照射および膣内から直接放射線を照射する腔内照射と組みあわせて、注射剤を点滴投与することが標準的な方法です。
ⅣB期の症状緩和として
遠隔転移を起こしているⅣB期に対しては、全身に広がるがんを小さくすることを目的に、抗がん剤や分子標的治療薬※1、免疫チェックポイント阻害薬※2を点滴投与することがあります。また症状が強い場合は放射線治療、同時化学放射線療法を行うこともあります。
※1特有の分子を狙い撃ちする薬剤
※2がん細胞に対する免疫細胞の攻撃力を活性化・持続される薬剤