監修 独立行政法人国立病院機構
四国がんセンター 婦人科 手術部長
竹原 和宏 先生
子宮体がんとは
子宮は、下部1/3の子宮頸部と、上部2/3の子宮体部で構成されています。
子宮体部は子宮の奥側に位置し、出産まで胎児を育てる部屋としての役割があります。
子宮体部の内側を覆う子宮内膜に発生するがんが、子宮体がんです。

子宮体がんの原因や症状は?
子宮体がんは、子宮内膜が異常増殖してがん化することで発症します。子宮内膜の増殖には女性ホルモンが関与しているため、ホルモンバランスの崩れが子宮体がんのリスク因子となります。ほかに肥満や高血圧も、子宮体がんのリスク因子であるとされています2)。
代表的な症状は不正出血(生理期間以外の出血、閉経後の出血)で、初期からみられます。がんが進行してくると、おりものの異常や下腹部痛などの症状があらわれます。
- 2)日本婦人科腫瘍学会編:患者さんとご家族のための子宮頸がん子宮体がん卵巣がん
治療ガイドライン 第2版,金原出版,2016,p.76
子宮体がんの罹患率や生存率は?
2016年の1年間で16,304人が子宮体がんと診断されており、50歳代で発症する方が多くなっています1)。子宮体がんの患者数は年々増加していますが、その一方で早期発見がしやすく、すぐに治療をすれば経過のよいがんです。