乳がんと診断された乳がんと診断された

乳がんの治療
~治療の流れとステージ・サブタイプ別の治療法~
乳がんの治療
~治療の流れとステージ・サブタイプ別の治療法~

放射線治療

~先生からのメッセージ~

放射線治療は、がん細胞の遺伝子にダメージを与え、増殖する力を失わせることでがん細胞を死滅させます。がんの種類によっては根治を目指して放射線治療を行ったり、化学療法と組み合わせて放射線治療を行ったりしますが、乳がんでは手術後の再発・転移を防ぐため、またがんによる疼痛を緩和するために放射線治療を行います。

乳房温存手術後の放射線治療

温存手術後は、乳房内に目には見えないがん細胞が残っている可能性があります。
この場合の放射線治療は、乳房内に残ったがん細胞を根絶し、乳房内の再発を防ぐことを目的としています。
そのため、乳房温存手術を行ったあとは、基本的に放射線治療が勧められます。術後に放射線治療を行うことで、乳房切除と同じ治療成績が得られるとされています1)

1)日本乳癌学会:乳癌診療ガイドライン2018年版, 金原出版, 2018, 外科治療BQ2

乳房全切除術後の放射線治療

乳房をすべて取り除く乳房切除後にも、目には見えないがん細胞が胸壁(皮膚や筋肉)やリンパ節に残っているほどに、乳がんが進行していることがあります。胸壁再発のリスクは、多くのリンパ節転移が見られる場合や、乳がん周囲のリンパ管にがん細胞が充満している様子が多く見られる場合に高いことが分かっています。
そのため、乳房切除後の放射線治療は、胸壁とリンパ節の領域へ放射線を照射することで、残ったがん細胞を根絶し、その部位での再発、また遠隔への転移を防ぐことを目的としています。

脳転移に対する放射線治療

乳がんは脳に転移することがあります。
脳転移に対する放射線治療にはいくつか方法がありますが、転移の個数や脳以外の転移の有無、患者さんの年齢や全身状態によって進められる治療が決まります。

骨転移に対する放射線治療

骨に転移したがんが神経を圧迫して痛みがある場合は、症状を緩和するために放射線治療が行われます。

清水先生から、あなたへのメッセージ

放射線治療というと、副作用がつらそう、というイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
乳がんの放射線治療でも副作用はありますが、一般的には頻度は少なく、大きな問題になることはないないようです2)
乳がんでは、放射線治療は再発を予防するために必要なものです。事前に放射線治療についてその概要を理解しておくことで、不安もだいぶ軽減されると思います。
詳しくは、乳がんの放射線治療をご覧ください。

2)日本乳癌学会編:患者さんのための乳がん診療ガイドライン2019年版, 金原出版, 2019, p134

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