Q慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)とはどんな病気なのか、教えてください。
A慢性リンパ性白血病(CLL)は、成熟したB細胞ががん化(悪性化)し、無秩序に増えてしまう病気です(成熟T細胞やNK細胞によるものもあります)。慢性リンパ性白血病は、白血病細胞が主に骨髄で増殖するものを指します。同じ種類の白血病細胞がリンパ節などのリンパ組織で増殖した場合には、小リンパ球性リンパ腫(SLL)と呼ばれることがあります。日本では欧米と比較して、発症頻度は非常に少なく、年間10万人に0.3人前後です。50歳以降の中高年に多いといわれています。
図1造血の仕組み

ガイドブック, p248-249, 2016, サイオ出版を参考に作成
慢性リンパ性白血病の多くはゆっくり進行しますが、進行が早いものもあります。病気の進行度は、改訂Rai分類やBinet分類などで分けられます。さらに、International Workshop on Chronic Lymphocytic Leukemiaの治療開始規準などを参考にしながら、治療方針が決まります(表)。
表慢性リンパ性白血病の病期分類
病期分類 | 概要 |
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改訂Rai分類 | リンパ節腫張、肝脾腫の有無や貧血、血小板減少の程度を組み合わせた病期分類です。CTなどの画像所見は用いていません。主に米国で使用されています。 |
Binet分類 | リンパ節腫張、肝脾腫の有無や貧血、血小板減少の程度を組み合わせた病期分類です。CTなどの画像所見は用いていません。主に欧州で使用されています。 |
International Workshop on Chronic Lymphocytic Leukemiaの治療開始規準 | 慢性リンパ性白血病の治療開始基準です。リンパ節腫張、肝脾腫の有無や貧血、血小板減少などを評価します。 |
- 造血器腫瘍診療ガイドライン第3.1版(2024年版)「病期分類」(別ウィンドウで開きます)[2025年7月24日閲覧]