慢性骨髄性白血病って
どんな病気?

監修:愛知医科大学 血液内科 教授 高見 昭良 先生

Q慢性骨髄性白血病(CML)とはどんな病気なのか、教えてください。

A慢性骨髄性白血病(CML)は、未熟な血液細胞ががん化(悪性化)する白血病の1つです。白血球赤血球血小板のもとになる骨髄芽球(こつずいがきゅう)という細胞が白血病細胞となって無秩序に増えてしまう病気です。急性骨髄性白血病では未熟な細胞だけが増えますが、慢性骨髄性白血病では、未熟な細胞だけでなく、成熟した細胞までが増えることが知られています。

図1造血の仕組み

多能性造血幹細胞が血液細胞を作り出す過程を図解。多能性造血幹細胞はリンパ系前駆細胞と骨髄系前駆細胞に分化する。そこからさらに白血球を構成する単球、好中球、好塩基球、好酸球、リンパ球などが作り出されていく。
山田幸宏 監修. 看護のための病気のなぜ?
ガイドブック, p248-249, 2016, サイオ出版を参考に作成

慢性骨髄性白血病は、ほとんど自覚症状がなく、3~5年で進行する「慢性期」、脾臓の腫れや貧血、発熱、体重減少などがみられ、3~9か月で進行する「移行期」、急性白血病のような症状が発現し、3~6か月で進行する「急性転化期」の3つの病期で進行します。治療は自覚症状のない慢性期から開始して、白血病細胞をコントロールすることと病期の進行を抑えることを目標にします。明らかな移行期を経ないで、急性転化期に移行するケースもあります。

慢性期
白血球数と血小板数は増加していますが、自覚症状を認めない時期です。
慢性骨髄性白血病 自覚症状なし
移行期
骨髄や末梢血中に芽球と呼ばれる未熟な細胞の割合が増加し、治療をしても、脾臓の腫れが進行する場合があります。貧血、出血傾向、発熱があらわれることもあります。
慢性骨髄性白血病 移行期 脾臓の腫れ
急性転化期
急性白血病に類似した状態がみられ、貧血症状、感染症、発熱、出血症状などがみられるようになります。
慢性骨髄性白血病 急性転化期 貧血症状

がん情報センター それぞれのがんの解説 慢性骨髄性白血病 治療(別ウィンドウで開きます)
[2020年9月15日閲覧]を参考に作成

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