乳がんと診断された乳がんと診断された

乳がんの薬物療法
①化学療法
乳がんの薬物療法
①化学療法

化学療法で用いられる薬剤

~先生からのメッセージ~

抗がん剤は、細胞の増殖機能をどう抑えるかによって、さまざまな種類に分類されます。がん細胞に対する効き方が異なるお薬を組み合わせることで、1剤を単独で使うよりも高い効果が期待されるため、根治を目指して術前・術後に実施する化学療法では、併用療法が行われています。

化学療法で用いられる主な薬剤とその作用機序

アンスラサイクリン系薬剤

土に住む細菌に由来する抗生物質で、細胞増殖に関わるDNAやRNAの合成を阻害してがん細胞の増殖を抑えるものです。

アルキル化剤

第一次世界大戦で化学兵器として使用されたマスタードガスに由来する抗がん剤です。DNAの複製を阻害することで、細胞を死滅させます。

タキサン系薬剤

植物由来の抗がん剤で、細胞分裂に関わる細胞内の構造である「微小管」に作用し、がん細胞の増殖を抑えるものです。

フッ化ピリミジン系薬剤

DNAを構成する成分に似た化学構造を持った抗がん剤です。DNA合成の過程で本来必要な成分に代わって取り込まれることで、がん細胞に対する効果を示します。

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分子標的治療薬も、お薬によってがん細胞への作用の仕方が異なります。乳がんで用いられる主な分子標的治療薬は抗HER2薬ですが、これは細胞表面のHER2に結合することでHER2が機能することを防ぐほか、免疫的な作用でがん細胞を抑えるお薬です。
また再発・転移がんに用いられる分子標的治療薬では、がん細胞に栄養を与える血管が作られるのを防止することで、がん細胞の増殖を抑えるものや、免疫の働きを高めてがん細胞を攻撃するお薬もあります。

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