副作用が心配?
~先生からのメッセージ~
化学療法による副作用は多岐にわたり、またあらわれやすい時期がそれぞれ異なります。起こる可能性の高い副作用については、あらかじめ医師にその時期・あらわれたときの対処法などを確認しておきましょう。
なお副作用の強さは治療効果とは関係ありませんので、治療を継続できないほどに辛い症状がある場合は、遠慮せずに医師や看護師に相談しましょう。
抗がん剤による主な副作用
抗がん剤による副作用にはいろいろな種類があり、また現れる時期も症状によって異なります。
お薬でコントロールが可能な副作用もありますので、あまりがまんしすぎないようにしましょう。
【化学療法による副作用発現時期の目安】
吐き気・嘔吐
副作用の中でも頻度が高いものです。対処法について詳しくは辛い症状にはこう対処しましょう-吐き気をご覧ください。
脱毛
毛髪を作る細胞がダメージを受けることで起こります。対処法について詳しくはおしゃれを楽しみましょう-ヘアスタイルを楽しむをご覧ください。
好中球の減少、貧血、出血
骨髄細胞がダメージを受けることで、血液中の白血球、赤血球、血小板の数が減少します。症状としては免疫力の低下、貧血、出血のしやすさとしてあらわれます。感染症対策、貧血に伴う疲れやだるさについては辛い症状にはこう対処しましょう-疲労感をご覧ください。
心臓に対する副作用
お薬によっては、動悸や息苦しさ、むくみがあらわれることがあります。
神経症状
手足のしびれや刺すような痛みを感じるものです。この症状は長く続く場合があります。お薬を使うことで回復する場合がありますので、生活に支障のある症状(お箸が持ちづらい、ボタンがかけづらい、歩くときによくつまずく、など)がある場合は早めに医療スタッフに相談しましょう。
卵巣機能の障害
卵巣がダメージを受けることで、無月経になることがあります。40歳以上の方では治療終了後にそのまま閉経してしまうことがありますので、妊娠を希望される方は早めに医療スタッフに相談しましょう。詳しくは、乳がん患者さんの妊娠・出産をご覧ください。
下痢
処方されている下痢止めで回復せず脱水状態になってしまうと、点滴や入院が必要になります。
口内炎
口内の粘膜がダメージを受けることによるものです。感染予防のために、口内は清潔に保つようにしましょう。化学療法前に虫歯や歯周病の治療、歯石除去を行うことが口内炎予防に効果的とされています1)。
その他の副作用、副作用への対処法について詳しくは、辛い症状にはこう対処しましょうをご覧ください。
分子標的治療薬の副作用って?
乳がんで使われる分子標的治療薬の副作用には、抗がん剤による副作用と同様に、好中球減少、貧血、心臓に対する影響、下痢などがあります。ほかに分子標的治療薬特有の副作用もあり、投与時の悪寒や発熱、高血圧、皮疹などが当てはまります1)。
自覚症状があまりない副作用もあるため、分子標的治療薬を使っている期間は、医師の指示に従って、定期的な診察をきちんと受けるようにしましょう。