監修 愛知県がんセンター 病院長
山本 一仁 先生
- 非ホジキンリンパ腫の特徴、症状、治療法について教えてください。
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非ホジキンリンパ腫は日本でみられるリンパ腫の約9割を占めています。ホジキンリンパ腫以外のリンパ腫すべてが含まれます。
非ホジキンリンパ腫の特徴
非ホジキンリンパ腫は、日本でみられるリンパ腫の90%以上を占めています1)。加齢、放射線への曝露、慢性炎症などによって起こる染色体や遺伝子の異常が原因と考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。
非ホジキンリンパ腫の症状
最もよくみられる初発症状は、リンパ節の腫れやしこりで、痛みはありません。
胸部のリンパ節が腫れると、せきや呼吸困難がみられ、また、顔面、首、腕の腫れがみられることがあります。腹部のリンパ節が腫れると、さまざまな臓器が圧迫されて、食欲不振、便秘、腹痛、足のむくみがみられることがあります。
非ホジキンリンパ腫の分類
非ホジキンリンパ腫は病気の進行の早さや症状の激しさ(悪性度)によって3つに分類されています。また、リンパ球のうち、どの細胞ががん化したのかによって、B細胞性、T細胞性、NK細胞性にも分類されます。それぞれの特徴は以下の通りです。
低悪性度リンパ腫: |
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B細胞性 | T細胞性 |
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中悪性度リンパ腫: |
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B細胞性 | T細胞性 |
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高悪性度リンパ腫: |
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B細胞性 | T細胞性 |
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非ホジキンリンパ腫の確定診断
リンパ腫の検査では、問診・血液検査・超音波検査(エコー検査)・CT検査/MRI検査などを行ったうえで、リンパ節生検により病理学的検査を行って確定診断をします。病理学的検査ではどの種類の非ホジキンリンパ腫に当てはまるかも判定します。
検査ではリンパ腫細胞の広がりも確認しますが、非ホジキンリンパ腫には、診断時点で病変が広がっており、病変が1つの領域に限局される病期Ⅰ期の患者さんが少ないタイプのものもあります。
非ホジキンリンパ腫の治療
非ホジキンリンパ腫には50以上の種類があります。悪性度によって大きく3つのグループに分け、さらに病気の種類・病期を総合的に判断して、治療方針を決定します。
ここでは悪性度別の大まかな治療方針について以下に示します。
低悪性度リンパ腫の治療法
限局期:Ⅰ期では放射線治療、Ⅱ期では病変の距離によって、放射線療法、または経過観察・化学療法・圧迫症状部位への放射線療法のいずれかを行います。
進行期:Ⅲ期、Ⅳ期ともに経過観察・化学療法・圧迫症状部位への放射線療法のいずれかを行います。
中悪性度リンパ腫の治療法
限局期:化学療法・化学療法と放射線治療の併用のいずれかを行います。
進行期:化学療法を行います。
高悪性度リンパ腫の治療法
限局期、進行期ともに、化学療法を実施します。
もっと詳しく知りたい方はこちら 国立がん研究センター がん情報サービス 「それぞれのがんの解説 リンパ腫 治療」 [2023年10月10日閲覧] (別ウィンドウで開きます)
進行・再発時の治療
初回治療を行っても、十分な効果が得られなかった場合や進行・再発した場合、前回とは異なる種類のリンパ腫になっている可能性があるため、リンパ腫の生検を再度行い、リンパ腫の種類を再度確認することもあります。それによって前回と同じ化学療法または前回とは異なる化学療法で、救援化学療法を行います。
65歳以下の患者さんで救援化学療法の効果がみられた場合は、自家造血幹細胞移植を行う場合もあります。
その他、細胞表面マーカー検査によって特定の分子が陽性の場合には、分子標的薬が使用可能です。